国内

菅首相も河野大臣も制御不可能 厚労省「コロナの女帝」の復権

大坪寛子氏がいまや絶大な権勢を握る厚労官僚として政府内にその名を轟かせているという(時事通信フォト)

大坪寛子氏がいまや絶大な権勢を握る厚労官僚として政府内にその名を轟かせているという(時事通信フォト)

 河野太郎・ワクチン担当相の登場により、コロナ行政をめぐって政権内に不協和音が生じている。だが、ワクチン接種の実務を仕切る厚生労働省では、“コロナの女帝”と呼ばれる存在により、さらなる混乱が起きていた。新著『菅義偉の正体』が話題を呼ぶノンフィクション作家・森功氏がレポートする。(文中敬称略)

 * * *
「感染拡大が酷いことになっている欧米ではチャレンジするしかないけど、今のコロナワクチンは体内に抗体ができるだけで効果は定まらず、副反応の可能性も払しょくできていない。少なくともコロナ収束の切り札にはならないのは、厚労省はもとより加藤(勝信)官房長官や田村(憲久)厚労大臣など医療行政に通じた与党議員も承知しているから、慎重になっている。

 官邸は接種の遅れを厚労省のせいにしているけど、前のめりになっているのは官邸くらい。そこへ“彼女”や河野太郎が乗り出してきた。どちらも出しゃばりで中身がないから、どうなることやら」

 ある自民党の重鎮はそう嘆くのである。やることなすことうまくいかない菅義偉政権では、唐突に河野太郎をワクチン担当大臣に任命して話題になったが、政府内の注目はむしろ厚労省医系技官の大坪寛子(53)だそうだ。

 近頃では政府内で「ツボ子」、あるいは「ツボ子姐さん」と呼ばれているのだという。

「想像がつくと思いますが、ツボは“おツボネさん”を皮肉った命名、もう一つは女子ゴルフの渋野日向子(シブコ)です」

 ある厚労官僚が苦々しく笑う。大坪は安倍晋三前政権時代からコロナ対策を差配してきた首相補佐官の和泉洋人との男女関係で知られてきた。和泉と“コネクティングルームお泊り”していた海外出張まですっぱ抜かれたのは、ご承知の通りだ。

 スキャンダルに沈んだかに見えたそんなツボ子姐さんが、いまや絶大な権勢を握る厚労官僚として政府内にその名を轟かせているという。「全英女子オープン」を制した渋野がその後スランプに陥ったが、見事昨年12月の「全米女子オープン」で復活(4位)を果たしたことにも引っかけている。

 折しも河野新ワクチン担当大臣にコロナ対策の望みをかける菅政権で、どちらが主導権を握るのか、と関係者たちが当惑しているのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
いい意味での“普通さ”が魅力の今田美桜 (C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』ヒロイン役の今田美桜、母校の校長が明かした「オーラなき中学時代」 同郷の橋本環奈、浜崎あゆみ、酒井法子と異なる“普通さ”
週刊ポスト
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン