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神奈川県立歴史博物館【1】縄文時代の『土製頭部破片』に壇蜜うっとり

明治学院大学教授の山下裕二氏と壇蜜が、神奈川の歴史に触れる

明治学院大学教授の山下裕二氏と壇蜜が、神奈川の歴史に触れる

 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏と、タレントの壇蜜。日本美術応援団の2人が、日本の美術館や博物館の常設展を巡るこのシリーズ。今回は神奈川県・横浜市の神奈川県立歴史博物館の第1回。2人が重要文化財建築の内部で甦る神奈川の歴史に触れる。

山下:神奈川県立歴史博物館の建物は国の重要文化財に指定される旧横浜正金銀行本店本館をベースにし、ネオ・バロック様式の石造りの外観とドームが特徴です。関東大震災で一部焼失するも復旧され、戦後まで銀行として使用。昭和42年にはドームも復元されてシンボルを取り戻しました。

壇蜜:明治37年にこんなモダンな建築があったなんて。飾りとしてのドームは巨大で、地上から目の届かない高さにもドルフィンの装飾が施されるなど細部まで凝っています。檜の香りもして贅沢な空間ですね。

山下:関東大震災でも焼失を免れたのが地下階。収蔵庫として使われている金庫は明治時代のものですよ。

壇蜜:刻まれた「東京市」が歴史を物語っています。

山下:常設展は古代から現代まで5つのテーマに分類され、「原始・古代」のフロアでは神奈川の県域から出土した土偶や埴輪などが展示されています。縄文時代の『土製頭部破片』は日本最大級とされ、平成30年に文化庁主催の縄文展でパリでもお披露目されました。

壇蜜:大きくて、愛らしい表情ですね。背面の鏡で後頭部の装飾を覗く仕掛けに好奇心をそそられます。

【プロフィール】
山下裕二(やました・ゆうじ)/1958年生まれ。明治学院大学教授。美術史家。『日本美術全集』(全20巻、小学館刊)監修を務める、日本美術応援団団長。

壇蜜(だん・みつ)/1980年生まれ。タレント。執筆、芝居、バラエティほか幅広く活躍。近著に『三十路女は分が悪い』(中央公論新社刊)。

●神奈川県立歴史博物館
【開館時間】9時30分~17時(最終入館は閉館30分前まで)※開館状況はHPにて要確認
【休館日】月曜(祝日の場合は開館)、年末年始(12月28日~1月4日)、資料整理ほか臨時休館あり
【入館料】一般300円※特別展は別料金
【住所】神奈川県横浜市中区南仲通5-60

撮影/太田真三 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2021年2月19日号

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