家から出づらい日々が続き、今日も一日中、家族と一緒緒。コロナ前なら気にならなかった小さなストレスがつもりつもって、もう限界……という人も多いはず。
そもそも、「ストレスをためにくい性格」になることができれば、少しくらいいやなことがあってもイライラすることはないだろう。そのためには、こまめに不満を発散することが大切だ。
『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)の著者で明治大学教授、心理言語学者の堀田秀吾さんは、日記などに吐き出すことをすすめる。
「書くことでワーキングメモリが分散され、不安や怒りが和らぐ効果もあります。“1日15分日記を書く”などと決めて習慣化すると、次第に感情をコントロールできるようになったという研究があります」(堀田さん)
ただし、ただ感情のままに書きなぐるだけでは逆効果。
堀田さんは、書くときは、主語を“私”にしないのがコツだと話す。“私は怒っている”と記すと、感情に直結して怒りが収まりにくくなる。三人称を使って、“彼女(彼)は怒っている”と書くと、自分を客観視することができる。
例えば、「私は頭にきている」と書かず「彼女は頭にきている」、気分が落ち込んだときも「私はダメな人間だ」ではなく「彼女はダメな人間だ」と書けばいい。三人称で書くことで、ネガティブな気持ちを“他人事化”できるのだ。
脳科学者の杉浦理砂さんは、いやな気持ちを書いた紙を破り捨てる「ネガティブ・ダストビン」をすすめる。
「チラシの裏でも何でもいいので、いやなことを3分間、ひたすら書いてください。そしてその紙を破ってゴミ箱に捨てる。これで怒りが発散できます。
さらに感情を整えるには、『フォー・グッド・シングス』がいい。英オックスフォード大学のエレーヌ・フォックス博士が考案した方法で、いやなことを1つ書いたら、その分、4つの前向きなことを記します。ネガティブな感情はポジティブな感情より影響力が大きいが、いいことを4倍書くことでバランスが取れ、前向きになれる」(杉浦さん)
※女性セブン2021年2月18・25日号