ビジネス

逆風下の全日空も導入 サバティカル休暇でエース社員が戻らぬ懸念も

サバティカル休暇は社員と会社にとってWin-Winの制度となるのか

サバティカル休暇は社員と会社にとってWin-Winの制度となるのか

 企業に長期間勤務した人が少なくとも1か月以上の長期休暇を取得できる「サバティカル休暇制度」。全日本空輸が4月からこの制度を導入することを発表して話題を呼んでいるが、コロナ不況下の“窮余の策”ともいえる制度は、かえって企業に負の効果をもたらさないのだろうか──。同志社大学政策学部教授の太田肇氏が解説する。

 * * *
 コロナ禍の影響で需要が大きく落ち込み、人手が余り気味の航空業界だが、全日空は今年の4月から、最大2年間のサバティカル休暇制度を取り入れるという。休暇中は無給だが、会社が社会保険料を負担する。

 サバティカル休暇は大学教員の世界では普及しているが、一般にはあまり馴染みのない制度だ。著名な大企業の例だけに、この制度がどれだけ広がるか、そして日本の企業社会にどんな影響が出るか関心をもって見守る人が少なくないだろう。

職場に不満が広がる懸念も

 そもそも長期休暇制度の功罪としてあげられるのは、次のような点である。

 まずメリットとしては、社員が会社の中では得られないような経験をすることで人間的にも能力的にも成長し、視野が広がる。それによって会社も活性化される。また外の世界を知って会社を客観的に見るようになり、自社の魅力を再発見して士気が高まる場合もある。

 一方、デメリットとしては、特定の社員が長期休暇を取得すると、他の社員に仕事のしわ寄せが生じる。そこに不公平感も加わって、職場に不満が広がる可能性もある。特に日本企業のように会社が共同体型で仕事も皆でこなす風土が強いところでは、そのリスクはかなり大きい。

関連記事

トピックス

コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン