2月14日にスタートする2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』は、経済大国日本の創始者でもある渋沢栄一が主人公。江戸末期から明治へのうねりを、幕府や新政府という武士たちの視点ではなく、民間実業家の目線で描く“新たな幕末作品”は放送前から注目されている。制作統括の菓子浩さんが、同作について語る。
「『青天を衝け』の企画の構想に入ったのは2年以上前です。幕末を描いた大河ドラマはこれまで17本あり、主人公は西郷隆盛、坂本龍馬、新選組などヒーローが多かったので何か違う視点から物語を作りたいと考えました。
江戸、明治、大正、昭和と4つの時代を、農民、尊攘武士、幕臣、役人、実業家とさまざまな立場で生きた渋沢栄一の人生は調べれば調べるほどおもしろく、驚異の行動力とチャーミングな人柄が見えてきました。
経済成長が鈍り、少子高齢化、そして思いもしなかった新型コロナウイルスと閉塞感漂う現代では物事の本質を見極めることが求められています。幕末の大転換期をダイナミックかつ、当時の人々の暮らしを全長1kmに及ぶ広大なセットで豊かに描きます。
いくつもの逆境に立ちながらも、くじけずに道を切り開き偉業を達成した渋沢栄一の人生からは『生きてこそ』という情熱がひしひしと伝わってきます。先の見えないコロナ禍で不安を抱える大勢のかたがたに「生きてこそ」の思いをお届けしたいです」
第1回「栄一、目覚める」は、以下のような物語。放送は2月14日からだ。
〈武蔵国血洗島村で養蚕と藍玉作りを営む農家の長男として生まれた栄一(小林優仁)。頑固でおしゃべりな栄一に大人たちは手を焼かされてばかり。ある日、罪人が藩に送られてきたことを知った栄一は、近くに住む従兄の喜作(石澤柊斗)らと忍び込もうと画策し……。
江戸では、水戸藩主・徳川斉昭(竹中直人)の息子、七郎麻呂(笠松基生)を次期将軍にするため御三卿の一橋家に迎え入れる計画が進んでいた〉
※女性セブン2021年2月18・25日号