国内

自治体「コロナ臨時交付金」のヘンな使い途 イカのモニュメントなど

2017年に佐賀県が国立ハンセン病療養所に寄贈した「希望の鐘」。これをモデルに新たな鐘を制作しようとしていた(写真/共同通信社)

2017年に佐賀県が国立ハンセン病療養所に寄贈した「希望の鐘」。これをモデルに新たな鐘を制作しようとしていた(写真/共同通信社)

 新型コロナ対策のため、政府が地方に配った「地方創生臨時交付金」は、総額4.5兆円に上る。飲食店などに休業要請する際の協力金をはじめ、感染拡大の防止や、経済活動の回復などを目的とする事業に使われるはずだが、どうにも謎な使い途が散見されるのだ……。

 真っ先に批判を浴びたのは佐賀県だ。

 山口祥義知事が発案したのは、コロナに絡んだ差別を解消するために「佐賀誓いの鐘(仮称)」を県庁に設置する計画だった。地方創生臨時交付金から779万円を充てるとしていたが、県議や県民から批判が殺到し、昨年12月の県議会で予算案から外された。

 石川県能登町では総事業費3000万円のうち交付金から2500万円を賄った巨大な「イカのモニュメント」の建設が始まっている。幅約13m、高さ約4mのイカは、口の部分から内部に入ることができ、ライトアップされる予定だという。

「全国有数の水揚げを誇る『能登小木港のイカ』を地域資源としてとらえ、遊具機能を備えたイカのモニュメントを設置し、新たな観光コンテンツのひとつとして、当事業を実施することとしました」(同町地域戦略推進室)

 この事業、イカがなものか。

 徳島県徳島市では、交付金2000万円を使って、約7万個のLED電球の光で徳島城を再現し、そこで阿波踊り映像の上映イベント(1月21~2月19日)を開催している。

 内藤佐和子市長のSNSなどには「わざわざ密になるようなイベントに血税をつぎこむな」といった批判が寄せられたが、内藤市長は会見で「コロナ禍における市民生活の支えの一助になる」と反論した。

※週刊ポスト2021年2月19日号

能登町が作成したイカのモニュメントの完成イメージ。ダイオウイカではなくスルメイカをデザインしたという

石川県能登町が作成したイカのモニュメントの完成イメージ。ダイオウイカではなくスルメイカをデザインしたという

徳島市が展示している「仮想徳島城天守閣」。下部に阿波踊り映像が流れる(写真/毎日新聞社)

徳島市が展示している「仮想徳島城天守閣」。下部に阿波踊り映像が流れる(写真/毎日新聞社)

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン