体に不調を感じた時に頼りになるのが薬やサプリメント。ただ。一定の年齢になったら、付き合い方を考える必要があるという。
厚生労働省「社会医療診療行為別統計」によると、月に5種類以上の薬を薬局で処方されているという人は、65~74才で27.5%、75才以上で40.3%にのぼる。新潟大学名誉教授で、水野介護老人保健施設長の岡田正彦さんは「コレステロール値を下げる薬は不要」と話す。
「悪玉コレステロールといわれる『LDLコレステロール』は、年齢とともに自然に数値が上がるもの。ただ、70才くらいになれば食事量が減るため、数値は自然と下がっていきます。数値以外の健康状態が良好なら、薬を使ってまで下げる必要はありません。血糖値の薬も同様です。少し血糖値が高いからと薬をのんでいると、低血糖で倒れる危険があります。70才で食後血糖値が170mg/dl以下なら必要ないでしょう」
もちろん、健康を維持するために必要な薬もある。減らすときはかかりつけ医に相談しよう。薬の服用量が少ない50代も安心ではない。医療ジャーナリストの増田美加さんは、過度にサプリメントに頼る生活をやめるべきと提案する。
「テレビCMなどを見ていると、『食材には含有量が少ない』『サプリで補給が必要』などとうたわれるものがありますが、多くのサプリメントの効果は限定的で、エビデンスが少ないことが多い。サプリメントはあくまで食品ですから、基本的に食事でフォローしましょう。高いサプリ代にお金を払うより、バランスよく、おいしい食事をした方が体にも心にも健康的です」
※女性セブン2021年2月18・25日号