ビジネス

航空業界コロナ運休の余波 若手パイロットの技術的不安指摘する声も

飛行回数激減で若手パイロットの技術に懸念?(イメージ)

飛行回数激減で若手パイロットの技術に懸念?(イメージ)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって一時、世界全体の3分の2のフライトが運休した航空業界に、今度は「新人リスク」が懸念されている。

 国際航空運送協会(IATA)の調査では、コロナ後の運航再開で航空機の機体が着陸時に不安定になり、ハードランディングやオーバーランをするケースが急増した。IATAは、「こうした問題は、墜落事故につながる恐れがある」と警鐘を鳴らす。

 日本もこうしたフライトリスクと無縁ではない。

「国内でもコロナでパイロットの飛行回数が圧倒的に減少しました」と指摘するのは、元JAL機長で航空評論家の杉江弘氏だ。

「JALの現役社員から聞いた話では、フライト回数が国内線で月2回、国際線で月1回ほどに減っているパイロットもいるという。これだけフライト回数が減ると、経験豊富なベテランはまだしも、若手パイロットは技術的に不安になることもあるでしょう」

 実際に海外では、コロナによる運休でパイロットの技能が低下し、操作ミスや計器の読み間違いが続出した。コロナ前と比べて、着陸時にトラブルが生じるケースが倍増したとの報告もある。

 貨物便の需要などがあるとはいえ、旅客便のフライトが減少する中での安全対策について、航空大手はこう回答する。

「シミュレーター訓練などを実施しながら従来と変わらぬ安全な運航体制を堅持している」(日本航空広報)

「通常時と同様にシミュレーターを使用した定期訓練・審査を実施しているため、技量維持に関しては全く問題ございません」(全日空広報)

 ただし杉江氏は「シミュレーターですべては代替できない」と指摘する。

「実際のフライトでは、気象条件や目的空港、滑走路や飛行ルートなどが毎回異なり、実運航の経験はパイロットにとっては代えがたいものです。最近も大雪の新千歳空港で航空機が誘導路に入れず、滑走路が閉鎖されたケースがありました。雪の路面の滑り具合などはシミュレーターではなかなか再現が難しい」

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン