毎冬、豪雪地域として報じられる秋田県の乳頭温泉は、半径50メートル以内に泉質が異なる4つの源泉が湧く珍しい温泉場で、湯治客も多い。秋田県出身・在住の真田かずみアナ(32)が、乳頭温泉のなかでも特に風情豊かだという「日本秘湯を守る会」会員宿「乳頭温泉郷 鶴の湯温泉」(秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50、1人1泊/1万930円~、立ち寄り入浴あり)を紹介する。
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乳頭温泉郷で最古の歴史を持つ「鶴の湯温泉」さんは、人里離れた深山にひっそりと佇む秘湯のお宿です。
混浴露天風呂からの雪見は風情があり、降り積もる真っ白な雪と青味がかった乳白色の湯とのコントラストも美しく、一生記憶に残る光景です。温泉に浸かると硫黄の香りに包まれ、舞い落ちる雪が肌に触れては溶けるのを肩や顔で感じながら、秋田藩主も湯治に訪れた開湯380余年を誇る名湯を楽しめます。じんわりと温かく、いい湯っこだな~。
木々のざわめき、風の音も聞こえ、大自然の気配を体感できる露天ですね。昔の面影が残る建物、山菜や山の芋鍋などの郷土料理もどこか懐かしく、タイムスリップしたような旅情を味わえます。
【プロフィール】
真田かずみ(さなだ・かずみ)/1988年生まれ、秋田県出身・在住。大学卒業後、養護教諭を経てNHK秋田放送局に入局し、キャスターやリポーターを約5年間務める。情報番組『Catch-up marimari+』(秋田テレビ)、ラジオ番組『news mix』(エフエム秋田)などに出演中。
撮影/佐藤敏和
※週刊ポスト2021年2月19日号