ライフ

熟年離婚のワナ 直後に夫が死んで巨額の遺産もらえない女性のケース

aa

70才を過ぎて離婚してもメリットは少ない

 人生100年時代を迎えた今、誰もが真剣に考えなくてはいけないのが余生の過ごし方。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、50才を過ぎたら家族との関係性を見直すことを提案する。

「この年代になると、夫婦の会話も減って、寂しさを感じている夫も多いです。子供の学費がかからなくなったなら、さほど家計に直結しないパートはやめた方がいい。『私もパートで忙しいのよ』なんて言っていると、夫との間に溝ができる。それよりも、家計を切り詰めて、家庭を大事にした方がのちのちのためです」

 50代のときに夫との関係をおろそかにしていると、70才を過ぎてから思いがけない夫婦問題に発展する恐れがある。その1つが「熟年離婚」だ。岡野さんは、「70才を過ぎたら、離婚はしない方がいい」と話す。

「高齢者のかたで、長年、専業主婦として夫のわがままに耐え続け、最後の力を振り絞って離婚した人がいました。夫は数億もの財産がある経営者で、1億円くらいで手を打って離婚しました。しかし、離婚した3か月後に旦那さんが亡くなり、残りの財産はすべて子供たちに渡った。彼女は、『こんなにすぐ亡くなるなら、離婚しなければよかった』と気落ちして寝込んでしまった。

 離婚は体力的、精神的にかなりのエネルギーを消耗します。離婚疲れが原因で離婚後すぐに亡くなる高齢者は少なくない。離婚はやめて、別居くらいにしておきましょう」

 ただし、離婚を免れたからといって、長年の不仲によって入った夫婦のヒビは元には戻らない。高齢になると貯金や年金をひとり占めして、使い込んでしまう夫もいる。

「70才を過ぎたら、夫に財産を使い込まれないようにする手立てを考えることが大切。夫に気持ちよくお金を出してもらうために、夫婦げんかはしないこと。子供や親族など第三者に間に入ってもらい、妻のがんばりを啓蒙する活動をしてもらうのも効果的です」(岡野さん)

 家族に振り回されるだけでなく、自分自身と向き合う時間もつくりたい。

※女性セブン2021年2月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン