2021年プロ野球はキャンプ真っ盛り。しかしいま、新型コロナウイルスの感染拡大予防のために実施されている入国制限で、今も約50人の外国人選手がチームに合流できていない(2月11日現在)。
「今後、外国人選手が入国できたとしても来日から2週間の自主隔離が必要です。調整期間を考えると、開幕に間に合わない可能性が高い。どの球団も開幕オーダーの変更を余儀なくされています」(スポーツ紙デスク)
球界も対策に動いている。2月8日の新型コロナ対策連絡会議では戦力均衡のため「日本人限定でのDH制導入」や「外国人選手の出場枠制限」が提案された。
「賛成する球団は多かったが、巨人が猛反対した。『リーグのレベルを下げて戦力を均衡させる考え方には賛同できない』という主張です。
もともとDH制導入を強く求めていたのは巨人。そこにはウィーラー(34)など外野守備に不安がある強打の外国人を指名打者で起用したい思惑があった。
しかし現在4人の出場枠をさらに減らし、日本人限定DHを認めたのでは巨人の強みが活かせない。そのため反対に回ったと見られます」(連盟関係者)
しかし、その巨人も新戦力を含む4人の外国人の来日のメドが立っていない。巨人番記者が言う。
「原(辰徳)監督は4番・岡本和真(24)の後ろの5、6番をメジャー通算196本塁打のスモーク(34)、韓国球界でアジア初の40本塁打・40盗塁を達成したテームズ(34)に任せる構想でした。
しかしレフトを守らせる予定のテームズは、守備範囲の狭さと肩の弱さが指摘されており、キャンプやオープン戦で実力を確認しなければ使えない。そのため亀井善行(38)や、すでにキャンプに参加しているウィーラーで穴を埋めるしかない状況です」
最も悲惨なのが、三浦大輔・新監督の下で再起を目指す横浜DeNAだ。10人の外国人選手全員がキャンプに参加できなかった。
「主砲のソト(31)とオースティン(29)がいないのは痛い。ロペス(37)が退団し、梶谷隆幸(32)が巨人に移籍したことで、計算できる主軸はゼロです。ソトの代わりのセカンドにドラフト2位で獲得した中央大学のスラッガー・牧秀悟(22)を起用する考えですが、打線のスケールダウンは否めない」(前出・スポーツ紙デスク)
※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号