新型コロナウイルスの感染拡大で、家から出づらい日々が続き、今日も一日中、家族と一緒。コロナ前なら気にならなかった小さなストレスがつもりつもって、もう限界!……という人も多いはず。怒りの矛先が家族や自分に向く前に、正しく解消しておかなければならない。
日常を見渡してみれば、ストレスを減らすことができるアイテムはたくさんある。例えば朝のコーヒー。『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)の著者で明治大学教授、心理言語学者の堀田秀吾さんはこう言う。
「韓国ソウル大学の研究で、コーヒー豆の香りに、睡眠不足や疲労の原因とされる活性酸素によって破壊された脳細胞を回復させる効果があると判明しました」
しかし、コーヒーならすべて同じというわけではない。脳科学者の杉浦理砂さんはこう解説する。
「ブルーマウンテンやグアテマラのコーヒーの香りをかぐと、リラックスしているときに出るアルファ波という脳波が出やすくなる。一方で、マンデリンやハワイコナの香りは、脳が活性化して集中しているときに出るP300という脳波が出やすくなります」(杉浦さん)
仕事の前にはハワイコナ、休日の朝はブルマン……と使い分けるのもよさそうだ。
コーヒーのおともには、ぜひクッキーをいただきたい。
「米南フロリダ大学の実験でわかったのが、クッキーの香りを2分程度かぐと、気持ちが落ち着くということ。まだメカニズムはわかっていませんが、香りが脳に大きな影響を与えるのは確かでしょう」(堀田さん)
東京大学の研究では、時計の運針速度を1.5倍にすることで、作業効率が8%上がった。一方で、速度を遅らせることで効率は低下した。実際の時計の運針速度を変えるのは難しいが、スマートフォンのアプリには、この東京大学の研究にもとづいてつくられた秒針の速さを変えられるものがある。
コーヒーブレークでは足りないなら、もっと思い切った気分転換をしてみよう。堀田さんが推すのは、「ひとりカラオケ」と「テトリス」だ。
「英国王立音楽大学によれば、誰も見ていないところで歌うこと、つまりひとりカラオケで、ストレスが軽減されます。
ひとりというのがポイントで、友人などとカラオケに行って、誰かが見ている場所で歌うのは、緊張によってストレスホルモンが分泌されるため逆効果。歌うなら、浴室や自室など自分から人の姿が見えないところがベストです」