森喜朗氏の問題発言はJOC(日本オリンピック委員会)の臨時評議員会で飛び出した。その場で笑いが起こったことも批判の対象になったが、世間一般に当てはめると、会合などで場違いなウケ狙いをして、反感を買うケースも少なくない。
衣料品販売会社に勤める女性Aさん(28)が語る。
「会社のゴルフコンペの表彰式で、ある部長が締めの挨拶に立ち、『本日はおつかれ様でした。今日はここでお開きですが、夜の19番ホールは各自、思い思いにお楽しみください』と言ったときは、あ然としました。ところが周囲にいた男性の部下たちは“イヒヒヒ”と……。こわばった表情の私たち女性社員をよそに、“ウケた”とご満悦な表情を浮かべていた部長の姿が、本当に気持ち悪かった。小さな会社の内輪のコンペとはいえ、女性も同席しているのに」
被害者は女性だけとは限らない。若手男性社員からブーイングの声が上がったのは、年配の人から口癖のように発せられる「オレの若い頃は……」だ。機械部品販売会社に勤務するB氏(25)がこう嘆息する。
「コロナが流行する前、会社の上司からよく飲みに誘われたんです。予定があるので断わると『オレの若い頃なら、何があってもお供したよ』と言われるし、『付き合いも今日までだな』なんて冗談まじりに脅されることもある。父親くらいの年齢の目上の人だから謝るしかないんですけど、心の中では“変わるべきはそっちだよ”とツッコミを入れています」
※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号