国民の怒りを恐れる菅義偉・首相は、選挙を衆院議員の任期満了が近い9月まで引き延ばすとみられているが、国民はそれまで待つ必要はない。
「落選運動」なら今すぐ始めることができる。憲法学者の上脇博之・神戸学院大学法学部教授が指摘する。
「落選運動とは、政治家の問題ある言動を取り上げて“こういう人は次の選挙で落選させよう”と国民に伝える表現活動であり、憲法で保障されている言論、表現の自由に含まれる。特定の候補者を当選させる目的で行なわれる選挙運動にはあたらないので、誰でも、いつでも行なうことができます」
政治を変えるために国民ができる“究極の実力行使”といえる。
感染拡大で国民に自粛を求めながら、政治資金パーティーを開いた政治家も落選運動の対象になる。
衆院厚生労働委員長の渡嘉敷奈緒美氏は東京や大阪で飲食店の営業規制が行なわれていた昨年12月にコロナ感染で入院。フェイスブックに〈微熱と軽症の肺炎を起こしかけているとの事ですが、至って元気にしています〉と書き込んでいたが、入院中(12月15日)に都内のホテルで本人欠席のまま政治資金パーティーを開催した。
竹本直一・元IT担当相も昨年12月18日、地元の大阪市内のホテルで政治資金パーティーを開き、約80人の参加者に酒食を振る舞っていた。菅首相と二階俊博・幹事長がステーキ会食(12月14日)で批判を浴びた直後だ。その後、竹本氏はコロナ感染が判明して入院した。
国民がコロナで苦しむなか、「カネ集め」優先の発想しかない議員には政治を任せられない。
そんな政治家のなかに、国民に「3密回避」を説き続ける西村康稔・経済再生相もいた。