東京・新宿区の歓楽街からほどなく離れた場所に堂々と佇むヴィンテージマンション。アーチ形につくられた門は、まるでヨーロッパの古城のよう。エントランスホールも大理石が敷かれた豪華なつくりだ。まるでシンデレラでも住んでいそうなそのマンションから22時過ぎに出てきたのは、千鳥足の新宿二丁目のママたちだった──。
「あら、お兄さん何やってるの? え? ここ? 私たちはこのマンションの一室にあるレンタルルームでお誕生日パーティーをしてたのよ。本当は内緒なんだけど、その部屋、昔は夫婦だった石坂浩二(79才)と浅丘ルリ子(80才)の別宅だったんですって。いつもどんちゃん騒ぎに使っているから、テレビで2人を見ると、なんだか申し訳ない気分になるのよね(笑い)」
いま、レンタルルームが大人気だという。緊急事態宣言中、多くの飲食店は20時には閉店してしまう。しかし、レンタルルームは営業自粛の対象外のため、酒や食べ物を持ち込めば、遅い時間まで宴会を続けられるのだ。
冒頭の二丁目のママたちが利用していたのは、新宿区にある「Love Story Kitchen」というレンタルルームだ。部屋全体は約100平方メートルのワンルームで、現在は約半分が料理研究家のシェアオフィスとして、残りの半分がキッチン付レンタルルームとして貸し出されている。室内にはプロ仕様の冷蔵庫やオーブンが備え付けられているほか、調理器具やワイングラスなどが揃っており、パーティーがよく開催されているという。料金は平日の昼間にキッチンの利用がなければ、最低6時間6000円で貸りることができる(ホームページより)。
不動産関係者はこう語る。
「このマンションは1980年代末、バブルの終わり頃に建てられました。当時は近くにフジテレビがあったので、芸能関係の人が沢山住んでいましたよ。昔は映画監督の市川崑さんも住んでいましたし、渡辺謙さんが所属する劇団の事務所も入っていました」
多くの芸能人から選ばれた場所で、100平方メートルの広さと聞くと大スター夫婦が住んでいても納得できるが、実際に2人は借りていたのだろうか。
浅丘の事務所に話を聞くと、「石坂さんの劇団が、マンションの下にある劇場を利用していたようですが、浅丘はその部屋には行ったこともないと思います。2人がまだ婚姻関係にあるときの話だったから、尾ひれがついたんじゃないでしょうか」
一方、石坂の事務所は「プライベートなことなので、お答えできません」との回答だった。
残念ながら、レンタルルームの名前のようにラブストーリーはなかったようだ。
※女性セブン2021年3月4日号