タイガー・ウッズの自動車事故は世界中のゴルフファンを驚かせ、悲しませた。ノーブレーキで谷底に転がり落ち、足を複雑骨折して緊急手術を受けたという状況を見れば、復活までには長い時間がかかるだろうし、45歳という年齢を考えても、ゴルフ史上最高のプレイヤーが元の姿に戻れるかは心配が尽きない。
その痛ましい事故に、いち早く反応したセレブリティの一人がドナルド・トランプ前大統領だった。事故後、すぐさまFOXニュースのプライムタイムニュースに出演し、「彼には一日も早くケガから回復し、今年もまたPGAツアーに出場して勝利してほしい」と最大限の優しさを示して激励した。「タイガーは帰って来る。きっと帰って来る」とトランプ氏は力を込めて語った。
タイガーとトランプ氏の関係は深い。スポーツ界のセレブたち、特に非白人のスターたちは、人種差別的な言動が目立つトランプ氏から距離を取ってきた。バスケットボールのマイケル・ジョーダンやアメリカン・フットボールのスターたちなどが典型だ。それに対してタイガーは、大統領在任中にも数回、一緒にゴルフをしている。トランプ氏は2年前、タイガーがマスターズで11年ぶりにメジャー制覇を成し遂げた際には、民間人の最高栄誉とされる大統領自由勲章を贈っている。
二人の関係はさらに古く、2014年にはドバイの贅を尽くしたゴルフコースを二人で訪れたことが報じられているし、トランプ氏はマイアミに所有する豪華なヴィラにタイガーの名をつけたりした。そうした交友録がアメリカ・メディアではさまざまに報じられ、SNSなどでもトランプ氏を支持する者と批判する者が、事故やゴルフと関係ない場外戦を展開している。