8年ぶりに初回視聴率が20%の大台に乗ったNHK大河ドラマ『青天を衝け』。「日本資本主義の父」といわれた渋沢栄一(吉沢亮)の生涯を描く同作では、のちに渋沢の主君となる徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜を草なぎ剛が演じている。慶喜に渋沢を推薦し、立身出世のきっかけを与える平岡円四郎は堤真一、その妻に木村佳乃が配され、撮影は着々と進んでいるという。
「撮影現場ではお茶目な木村さんがムードメーカー。草なぎさんにイタズラやドッキリをすることもあり、和やかな雰囲気で進んでいます」(NHK関係者)
実力派同士の木村と草なぎだが、2人のキャスティングが発表された当初、テレビ業界は驚きに包まれた。
「木村の夫が東山紀之だからです。これまでテレビ局は草なぎら元SMAPの『新しい地図』3人の起用を避け、まして古巣であるジャニーズタレントとの共演はありませんでした。木村自身は関係ないとはいえ、夫の東山はジャニーズの事実上のトップ。これは画期的なことだと話題になった」(キー局プロデューサー)
NHKは2019年下半期の朝ドラ『スカーレット』でも元SMAPの稲垣吾郎とジャニーズJr.をキャスティングしている。作品内での共演はなかったが、徐々に雪解けムードは進んでいる。芸能評論家の三杉武氏が語る。
「そもそも元SMAP3人が地上波で起用されなかったのは、テレビ局側の自主規制が大きかった。その点、NHKは民放のような忖度をせず彼らを起用してきたから、草なぎと木村の共演も生まれた。
ジャニーズも稼ぎ頭の嵐が活動休止するなど世代交代が進んでいる。現在の藤島ジュリー景子社長、滝沢秀明副社長とも合理的で過去のしがらみに囚われない考えを持った方なので、今後は3人と現役ジャニーズとの共演も現実味を帯びてくるかもしれません」
木村は公私ともに“内助の功”で歴史を動かそうとしている。
※週刊ポスト2021年3月12日号