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いびき、無呼吸、足がむずむず、悪夢… 不眠の実例からみる解決策

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一晩中脳波や呼吸、心電図、酸素飽和度、節電図などのデータを記録する検査「終夜ポリグラフィー検査」。睡眠の深さや無呼吸の回数などが一目瞭然だ

 日本人の平均睡眠時間は、主な先進国の中でも最下位だという。経済協力開発機構(OECD)『Gender Data Portal 2019』によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、30か国中最下位。1位のエストニアとは、1時間半もの差があるのだ。特に45~59才の女性の睡眠時間が極めて短く、7時間を切っている(総務省『社会生活基本調査』2016年)。家族の世話をしながら家事も仕事もこなす女性たちは、時間に追われ、睡眠時間を削りがち。しかもいま、コロナ不安やテレワークの影響で、ますます眠れなくなるという人も多いだろう。

 そこで、睡眠障害などに特化した睡眠外来に多い例をもとに、不眠に対してどんな診察や治療が行われているのか、見てみよう。

いびきをかいて時々呼吸が止まる

【54才・主婦 Aさんのケース】
 50才を過ぎた頃から太り始めて、いびきをかくようになりました。しかも、自分では気づいていないのですが、先日「寝ているときに、何度か呼吸が止まっている」と夫から言われてしまい、ショックを受けています。最近はなんだか熟睡できず、寝ても疲れがとれなくなったような気がします。

 *
 RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長の白濱龍太郎さんはこう説明する。

「このようなSAS(睡眠時無呼吸症候群)は、中高年女性で、やせている人でもなりやすい病気です。診断する場合は、問診や簡易検査を経て疑わしい人に行う『終夜睡眠ポリグラフィー検査』で鑑別できます」

 無呼吸は、厳密にいうと10秒以上の呼吸停止のことで、1時間に5回以上無呼吸、もしくは止まりかける低呼吸があり、眠気等の症状を伴う場合に、SASと診断される。

「1時間に15回を超えると中等症、30回を超えると重症で、症状が重いほど心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。先延ばしにせず、早めの治療が必要です。

 治療方法は、軽・中等症ならマウスピースの使用を、重症ならCPAP療法を行います。これに薬や手術などを組み合わせることも。治療を始めれば無呼吸や低呼吸の回数が減り、最終的には鼻呼吸の癖がついたり、体重が落ちて気道が広がり、CPAPなしでも無呼吸状態がなくなることを目標にします。意識して7割以上の使用率を維持することが必要で、最低でも6か月以上は通院しながらの継続治療が必要です」(白濱さん)

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