芸能

映画『はな恋』 菅田将暉&有村架純が演じる“普通”の魅力

(時事通信フォト)

実力派人気俳優の競演が見もの(時事通信フォト)

 リピーター続出の大ヒット映画『花束みたいな恋をした』では、ダブル主演を務めた人気俳優・菅田将暉と有村架純の好演が話題だ。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が、2人の演技が観客を引き付ける理由を考察する。

 * * *
 コロナ禍によりエンタメ不況と言われる2021年において、映画『花束みたいな恋をした』がとんでもないヒットを飛ばしている。映画興行成績は1月29日の公開以来、連続して第1位を獲得。興行収入も20億円に届く勢いだ。

 実写の邦画によるこれだけのヒットは異例だ。私も作品を観た感想が尽きないほど、それこそ夜が開けるまで話すことができそうなほど、小さな感動をいくつも覚えた。

伏線が広がる脚本へ絡みつく、主役2人の演技

『はな恋』は菅田将暉さん、有村架純さんの主演による、1組のカップルの物語。いくつもの偶然を共有して惹かれあって、一緒に暮らしていく。例えばそこへどちらかが難病を抱えているとか、実は血縁関係のある兄妹でしたとか、そういうハプニングに近いドラマはない。

 普通の物語がなぜ観客の関心を引き寄せるのかといえば、脚本家・坂元裕二氏の力が大きい。ドラマ『最高の離婚』(フジテレビ系・2013年)、『カルテット』(TBS系・2017年)など、物語の中に多くの伏線を仕掛け、最終的には全てを回収していくのが彼の脚本の特徴でもある。作品の背景となる時代のカルチャーをよく考察していて、台詞にもその力が感じられる。一度でも彼の作品にハマると、底無し沼から出てこられないファンも多数いる。

 そんな坂元氏の脚本に対して、映画では主演の2人が本当に上手に絡んでいる。有村さんは『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系・2016年)で一度、坂元氏とタッグを組んだことがあるものの、菅田さんは初めてだ。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン