放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、多くの女性キャスターが所属する芸能プロダクション『セント・フォース』について。
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「今度、ウチでやることになりまして」
美人キャスターの宝庫『セント・フォース』の幹部から、そう言って渡されたプロフィールは鷲見玲奈のものだった。2020年4月のことである。
思わず「あの、鷲見麗奈さん?」と言ってしまった。テレビ東京の局アナ時代に男性週刊誌などに報じられた“ウワサ”がまだ生々しいタイミングだったからだ。
後にそのウワサは根も葉もないものだったことがわかったものの、『セント・フォース』の社長が築き上げた「“清楚なお嬢様キャスター”が数多く所属している」同社のイメージから鷲見は「かけ離れている」ため、大いに驚いた記憶がある。
鷲見玲奈、NiziU好きキャラでも弾ける
だが、『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)や『Oha!4NEWS LIVE』(日本テレビ系)など帯番組に出演しているタレントを除けば、今や、同プロダクション内でもっとも売れているのが鷲見玲奈。ゴールデンのバラエティ番組の企画会議では、今、必ずや名前が挙がると言っても過言ではない。
局アナ出身には珍しく、タレントを前にしても決して物おじせず、嫌みなく“自分”を出せる人。テレ東時代、経済番組やスポーツ番組などを担当してきた強みも彼女にはある。現在出演中の『SBI FXトレード/SBI VCトレード』のCMは、ものすごくハマっていると思う。
そうかと思えば、トークバラエティでは、番組のテイストや要求に合わせて、かなり頑張ってくれて、「キッチリ仕事をして帰る」特徴をもつ。曰く、年齢的にも「後がない」。ガムシャラにチャンスを次々ものにしている様子がよくわかる。
NiziUにハマっていて新曲のCDを40枚予約したとか、半年間でグッズに30万円も注ぎ込んだエピソードを話した『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)も、大きな話題を呼んだものである。
自宅に全くおしゃれ感がなかったことや、『Step and a step』の振りを「できますよ」と言い、スタジオで披露したものの、『セント・フォース』の先輩・川田裕美のスキップのようだったことも、「鷲見玲奈は本当にわかっている」と業界でも話題だった。
とにかくサービス精神旺盛で、何事もやりきってくれるから、かえってイタさがない。とにかく、これまでの『セント・フォース』には絶対に居なかったタイプなのである。