国内女子ゴルフツアーの今年初戦となる「ダイキン・オーキッド・レディース」(沖縄・琉球GC)が3月4日に開幕した。賞金女王争いは2020~2021年が合算されるが、昨年末までのランキング1位が笹生優花(19)、同3位が原英莉花(22)、「ダイキン」では西郷真央(19)が初日首位スタートと、ツアー通算94勝のジャンボ尾崎(74)の“愛弟子”たちが上位を席巻している。
2月27日、師匠であるジャンボ尾崎の姿は、千葉県にあるジャンボ軍団の専用練習場にあった。自身が主宰し、笹生や原を輩出した「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」が4日間にわたってセレクションを行なっており、そのうちの1日が報道陣に公開されたのだ。
驚かされたのは、その充実した練習環境だ。クロスバンカーなどもある300ヤードのミドルホールが再現され、フェアウェーには20ヤード刻みでピンが立つ。そこに向けて10打席が設置されている。ショートホールの練習場、バンカーに囲まれたグリーン、ウエイトトレーニング施設、クラブ工房なども完備しており、アカデミーの研修生たちはここでジャンボはじめ軍団メンバーの指導を受けるのだ。
この日は高校生を中心に男女6人がセレクションを受けた。4日間を通じて約30人のなかから4~5人が合格する予定だという。ジャンボは練習場内を電動カートで移動するのが常だったが、最近は自転車に乗っていると話した。
「カートだと飼っているワンちゃんを轢いちゃうけど、自転車なら大丈夫。自転車といっても電動だけどね、ワッハハハ。こんな便利なモノがあるとは思わなかった。坂を上ってもグイグイいく。自分の足がもの凄く強くなった気がするよ(笑)」
そう豪快に笑うジャンボだが、セレクションを受ける選手たちについて語る表情は真剣そのものだ。
「女の子のほうがいいね。自分としてはもっと男子に頑張ってもらいたい。オレは男子ツアーでやってきたから、男子が頑張らないといけないと思っている。やはり女子にない魅力が男子にはある。米ツアーを見てもわかるが、みんな300ヤード以上飛ばすからね。日本人も頑張ってもらいたいと思っているが、松山(英樹)以外は出てこない。残念ですよ。男子をいいかたちで育ててあげたいという気持ちがあるけど、今回は女の子のほうが残りそうだね」
そんな思いを抱くジャンボの教えを受け、女子ツアーでトップ選手となったのが笹生や原だ。今年のツアー初戦を前にした彼女たちへのアドバイスを聞かれると、「もう一人前だからね。なにも言うことはない。自分で頑張ればいい」と太鼓判を押す。