人々の生活様式を一変させることとなった新型コロナウイルス。多くの人が外出を自粛するようになり、自宅で家族との交流を深める機会が増えた。その結果、家族の絆が深まることもあるだろうが、中には関係が悪化するというケースも多い。
特に夫婦間で問題になりやすいのが、“モラハラ”だ。リモートワークが増え、自宅で共有する時間が増えると、それまではあまり気づかなかった相手の嫌なところが目に付き、気づいたらネチネチと小言をいっていた──そんな人も少なくない。
48才会社員の女性Aさんは、コロナ禍で夫からの“小言”が増え、大きなストレスになっているという。そんな夫にどう対処したのか、Aさんが明かす。
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うちの夫(52才)は、家はきれいなのが当たり前、帰宅したら栄養バランスが整った彩り豊かな食事が出てきて当然だと思って生きてきた人なんです。
つまり、義母がそれだけきっちり家事をこなす人だったのですが、専業主婦の義母と違い、私は正社員としてフルタイムで働いています。どうしても、手が届かない部分が出てきてしまい、夫からはしょっちゅう、「なんか家がほこりっぽい」「このお肉、焼きすぎじゃない?」などと、小言を言われる始末。もちろん夫は家事育児は一切手伝いません。そういうものだと思っているのです。
「私もがんばっているんだから、そんなこと言わないで」とお願いしても、夫に悪気はないので、私の気持ちは通じません。
特にこのコロナ禍で、四六時中家にいるようになった夫は、家の隅々までチェックしては小言を言うように。これがすごいストレス……。
そこで私が考えたのは、「揚げ足取り作戦」。
「おかずが茶色だらけだな。食事は彩りが大切だろ」と言われたら、翌日の夕飯は、ミックスベジタブルと赤ウインナー、緑のわさびをたっぷり入れたちくわに、インスタントの紫いもポタージュを用意。味を二の次にし、夫がお望みの極彩色の食卓にしてあげました。
一方、私と子供たちは、から揚げ、肉じゃがなど、夫が批判した“茶色だらけのおかず”。すると、「そっちがいいな」と言う夫。
待ってましたとばかりに、「茶色だらけのおかずは嫌でしょ?」と言い返してやりました。
その後も、「風呂場の汚れが目立つな」と言われれば、入浴中だろうとかまわず照明を消し、「汚れが目立たなくていいでしょ」などと言い返す。すると次第に、夫の小言も少なくなり、私に何か言う前に、自分で掃除をしてくれるようになりました。そこでいまは、作戦変更。「家事を手伝ってくれたらほめちぎる」作戦を実施中。家事は夫婦で協力するのが当たり前、という新たな常識を夫にインプット中です。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2021年3月18日号