幅広い趣味を持つことで知られる人気モデルの市川紗椰は、年に数回は両国国技館で相撲観戦する好角家でもある。市川に、もうすぐ始まる大相撲3月場所の見どころを聞いた。
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注目力士はなんといっても照ノ富士関(伊勢ヶ濱)でしょう。本調子が戻ったら誰も勝てません。大関に復帰してほしいし、横綱にもなってほしい。あとは入門した頃から応援している同じ伊勢ヶ濱部屋の翠富士関ですね。右でも左でも肩すかしができる。小兵が新入幕で活躍すると、研究されて次の場所で苦戦するのが常ですが、先場所は肩すかしがあるとわかっていても、後半にもしっかり決まっていたので、期待したいですね。
あとは1999年組の琴勝峰関。ここまでトントン拍子で出世し、関取になってから初めて負け越しましたが、何が足りないかを勉強したと思います。これを生かしてどう復活するかが楽しみですね。
個人的に注目しているのが親方たちの解説です。荒磯親方(元横綱・稀勢の里)、安治川親方(元関脇・安美錦)、井筒親方(元関脇・豊ノ島)、小野川親方(元前頭・北太樹)、秀ノ山親方(元大関・琴奨菊)など弁が立つ方が多く、おしゃべり親方を追いかける時代がやってきました。相撲にハマったころの力士が親方になっているので、私にとって「親方黄金時代」。最初は寺尾関(錣山親方)がモギリをしていてテンションが上がりましたが、次の段階に進めた気がします。
ファン1年目は土俵で一喜一憂する面白さ。5年目は下から応援していた力士が番付を上がって来る面白さ。そして長く見ていたファンは推し力士が親方になる面白さがあり、その親方が育てた若手力士を応援する楽しさ……そうやって長く応援でき、観ているファンも成長する、それも相撲の醍醐味だと思います。
【プロフィール】
市川紗椰(いちかわ・さや)/1987年2月14日生まれ。愛知県出身、米国・デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。身長168cm。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』(集英社刊)が好評発売中。
取材/鵜飼克郎 撮影/藤岡雅樹
※週刊ポスト2021年3月19・26日号