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巣ごもり生活の長期化が影響か 脳出血入院患者数は2倍強に

コロナを怖れて通院を止め、症状が悪化したケースも(イメージ)

巣ごもりで症状が悪化したケースも(イメージ)

 新型コロナウイルスへの感染防止のため、新しい生活様式を実践する一方で、コロナ前に「死に至る病」と怖れられていた疾病を忘れてはいないだろうか。

 くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長のもとに、最近、ある患者が運び込まれた。

 60代の女性が3週間ほど前、ろれつが回らなくなる症状が出たが、数日で元に戻った。翌週にも同じことを繰り返したが、“窮屈な生活が続いて自粛疲れしたのだろう”と気にも留めなかった。翌週には目眩もしたことでさすがに心配になったが、コロナリスクを考えて自宅で様子見。

 だが、翌日に突然、倒れ込んでしまったという。

「目眩やろれつが回らないというのは典型的な脳卒中の初期症状で、大きな発作を起こすと命取りになりかねず、半身まひや言語障害など重い後遺症が残りやすい」(工藤院長)

 かつて日本人の死因1位だった脳卒中は脳出血、くも膜下、脳梗塞などの「脳血管疾患」の総称で、患者数は年間約112万人と推定される。

 昨年秋の日本神経学会では、順天堂大学順天堂医院・脳神経内科の平健一郎氏が、脳出血患者の増加について「コロナ禍での自粛生活が影響した可能性がある」と説明した。

 コロナ第1波下にあたる昨年3~4月の脳出血による入院患者数は12例で、それ以前の4年間の同時期と比較すると2倍強だったという(参考資料:医療・医学ニュースサイト『メディカルトリビューン』)。

 患者数の増加はなぜ起きているのか。AIC八重洲クリニック・循環器内科科長の手塚大介医師が語る。

「自粛生活により普段から運動習慣のなかった人はさらに運動不足になる。食事もテイクアウトや宅配でコレステロールや脂質が高い食事を摂りがちで、間食も増えてしまう。心理的ストレスやうつも加わって、高血圧をはじめとした生活習慣病を悪化させ、それが脳卒中を引き起こす要因と考えられます」

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