3月12日にバレンタインジャンボ宝くじの抽せんが行われる。日本にはジャンボのような普通くじをはじめ、ロトやスクラッチなど一攫千金の期待が膨らむ多種類のくじが存在するが、一体どんなルールで運営されているのか──。ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が、法令をもとに意外と知らない宝くじの疑問について解説する。
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コロナ禍で様々なイベントが中止、延期、無観客となる中、宝くじへの注目度が高まっている。巣ごもり生活でネット購入が浸透して、若者や女性など、購入する層が拡大しているという。
宝くじには、年に5回行われるジャンボ宝くじに代表される普通くじ(開封くじ)やロト、ビンゴ、ナンバーズといった自分で数字を選ぶ数字選択式宝くじ、削ったその場で当たりがわかるスクラッチ(被封くじ)など、いくつかの種類がある。普通くじや数字選択式宝くじは、ネット購入が可能だ。
ところで、宝くじには、どういうルールがあるのだろうか。たとえば、宝くじの会社を設立して、オリジナルの宝くじをつくり、人々にくじを発売して、抽せんを行い、当せん金の支払いをする──といった事業を行うことはできるのか。少し、法令をみていくこととしたい。
宝くじはどんな目的で発行されるのか
そもそも、宝くじは、どういう法律のもとで行われているのか。日本では、宝くじは、「当せん金付証票法」(1948年制定)に基づいて発行される。普通くじは法律上、「当せん金付証票」となる。
数字選択式宝くじやスクラッチも、この法律に基づき発行される。このうち、ロト7やロト6のようにキャリーオーバーの仕組みがあるものは、法律上、「加算型当せん金付証票」となる。
当せん金付証票法の目的は、「浮動購買力を吸収し、もつて地方財政資金の調達に資すること」(第1条/この法律の目的)とされている。つまり、地方財政のために行われているわけだ。また、宝くじの発売主体は、都道府県と20の政令指定都市の67団体とされている。
当せん金の総額は、その発売総額の5割相当額を超えてはならないとされている(加算型当せん金付証票の場合は、その額にキャリーオーバーによる加算金を加えた額を超えてはならない)。これは、地方財政資金の調達という目的を踏まえての規制といえる。