プロ野球界への新型コロナウイルスの影響は大きい。なかでもDeNAは、育成を含めた外国人10選手が来日できておらず、不在のまま開幕を迎えそうだ。昨年リーグ2位の打率3割2分3厘を残した梶谷隆幸がFAで巨人へ去った上に、一昨年の本塁打、打点の二冠王であるソト、昨年65試合出場で20本塁打とパワーを見せつけたオースティンも欠くとなれば、打線の破壊力低下は必至だ。
しかし、外国人選手たちがいなくても、DeNAには期待の選手も多い。特に、外野陣には昨年のイースタン・リーグで本塁打、打点、出塁率のタイトルを取った細川成也、一昨年のオールスターに出場した神里和毅、同年のオープン戦首位打者である楠本泰史たちが控えており、2017年に『1番・センター』で143試合フル出場した桑原将志も黙っていない。10年目の乙坂智や8年目の関根大気も期待されるところだ。プロ野球担当記者が話す。
「実は、DeNAは外野の層が厚いんです。昨年まではポジションが埋まっていたため、若手は代打や数少ないスタメンで失敗できないという恐怖と戦いながら、試合に出ていた。しかし、今年は外国人の不在で本当の意味で横一線になりました。
ソトが予定されていたファーストは新人の牧秀悟、巨人から梶谷の人的補償で移籍した田中俊太、移籍3年目の中井大介が守っていますが、昨年首位打者を獲得した佐野恵太もファーストをできる。外国人不在が長引くようであれば、佐野の一塁も検討されるでしょう。そうなれば、外野は2席空くことになります」
ソト、オースティンの不在は機動力に舵を切る要素にもなる。昨年のDeNAはセ・リーグの中で打率、本塁打数は1位ながら、得点はリーグ3位。盗塁数が最下位の31だったことも影響しているだろう。
「ラミレス前監督は動かないタイプでしたし、ソト、ロペス、オースティンと外国人が3人並ぶと、打棒に期待する以外なかった。しかし、今年は外国人の代わりに入る選手たちが機動力を使えそうですし、三浦大輔新監督は2軍監督だった昨年も積極的に足を絡め、リーグ1位タイの65盗塁を記録している。長打が少なくなっても、神里や桑原など走れる選手を起用できる。昨年ファームで15盗塁の宮本秀明、2年目で50メートル5秒8の森敬斗が台頭してくれば、チームのイメージも変わります」(同前)
足を使って点を取りに行くDeNAの新しい野球が見られるか。