世界は目まぐるしいほどのスピードで変化している。そう実感することが増えた人も多いのではないか。大人力について日々研究を重ねるコラムニストの石原壮一郎氏が考察した。
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昭和は遠くなりにけりました。昭和と令和の世の中を比べて、とくに激しく変化したのが、ジェンダー方面の意識や常識です。
昭和の時代には、オフィスに女性の水着姿の写真がドーンと載ったカレンダーが貼られ、上司が部下の女性をつかまえて「○○ちゃんのおっぱいも、このぐらい大きいの?」と言ったりする光景が、わりと普通にありました。令和となった今、もし同じことをしたら、瞬時にすべてを失ってしまうでしょう。
ただ、おっさん世代としては、十分に気を付けていても、意識を変えなければと思ってはいても、染みついた昭和の感覚と完全に決別することは容易ではありません。無意識のうちに「昭和脳」を発動させて、知らないうちにヒンシュクを買っていることがあります。
近頃うるさいからとかそういうことではなく、胸を張って堂々と令和を生きていくために、女性にも男性にも失礼がないように、自分の中の「令和のジェンダー力」をチェックしてみましょう。次の3つの設問にチャレンジしてみてください。
(問1)あなたは30歳の男性。彼女が「今日、職場で課長が、子どもが生まれたばかりの同僚に『ちゃんと子育てを手伝わないと、ヨメさんに逃げられちゃうぞ』って言ってたの。もう最低!」と怒りながら話している。望ましいリアクションは?
【1】「えっ、どうして? 的確なアドバイスだと思うけど」
【2】「で、そのときキミは何も言わなかったの?」
【3】「『手伝う』じゃないよね。『ヨメさん』も失礼だし」
(問2)取引先の女性社長(既婚、40代)が、打ち合わせ中の雑談で「私、料理ぜんぜんできないんですよ。アハハ」と笑ながら話した。適切なリアクションは?
【1】「ご主人が納得なさっていれば問題ないと思いますよ」
【2】「アハハ、そうなんですか。社長らしくて素敵です」
【3】「女性だからって料理が得意である必要はないですよね」
(問3)居酒屋で独身の部下(30代)に「○○君はいい人いないの?」と聞いたら、サラッとした口調で「いますけど、じつはボク、ゲイなんです」と言い出した。なんて返す?
【1】「そうなんだ。パートナーがいるんだ。いいね」
【2】「言ってくれてありがとう。つらいことも多いだろうけど、がんばってね」
【3】「おいおい、俺はそのケはないから、口説かないでくれよ」