4月から高齢者の接種が始まる新型コロナウイルスワクチン。コロナを恐れなくて済む生活への期待が大きく膨らむ半面、先行する医療従事者への接種データでは、「アナフィラキシー」など副反応も出ており、接種に不安を覚える声も上がる。だが、その判断材料は「怖いか、怖くないか」という感情ではなく、科学的・医学的なデータに基づくべきだ。
新規感染者「1万人超→749人」
英オックスフォード大などの報告によると、全世界で(少なくとも1回)ワクチンを接種した人の数は、3月11日までに2億人を超えた。
接種人数が最も多い米国では同7日までに全人口(3億2800万人)の約18%が1回目の接種を終え、約9%が2回目を完了した。米国では8週連続で新規感染者数が減少している。
昨年12月に接種が始まり、接種率世界一のイスラエルでは、人口900万人の約55%が1回目を、約43%が2回目を完了した(3月11日時点)。
米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(2月24日)では、イスラエルの接種者59万6618人を対象とした研究で2回目の接種から7日以上経過した人への有効性(※注)は92%を示したとされる。
【※注/ワクチンを接種しなかった人に対し、ワクチン接種によってどのくらい発症率が下がるかを検証した数字】
1月20日に1万213人を数えたイスラエルの新規感染者は3月14日には749人となった。
一方で各国からは「副反応」の報告も上がっている。米CDC(疾病予防管理センター)が1月27日に出した資料によると、米国でファイザー、モデルナ製それぞれのワクチンを接種した約200万人のうち、副反応として痛みを訴えたのは70.7%。同様に、倦怠感33.4%、頭痛29.4%、筋肉痛22.8%となっている。
英国の国民保健サービス(NHS)が2月4日に発表した報告では、ファイザー製のワクチンを接種した約4万人の英国人のうち、約10人に4人の割合で接種後1~2日の間に腕に痛みや腫れがみられたという。