イギリス王室のヘンリー王子とメーガン妃の暴露インタビューは、本国と諸外国で全く違う受け止められ方をした。現在、夫妻が暮らすアメリカでは、昨年来のBLM運動(黒人の命は大切)とも関連付けられ、アフリカ系のルーツを持つメーガン妃が王室で差別的な扱いを受けていたという訴えに同情的な反応が多い。ヒラリー・クリントン元大統領夫人やテニスのセリーナ・ウィリアムズさん、映画監督のマイケル・ムーア氏らが相次いでメーガン支持を表明した。一方のイギリスではむしろバッシングが加速し、夫妻の好感度が過去最低に落ち込んでしまった。
伝統ある王室であればあるほど、国民のなかでも保守層の支持が強いものだ。イギリスでも保守層や高齢層ほど夫妻に対する嫌悪感が強く、若い世代やリベラルな国民は比較的受け入れている。保守層は当然、前例のないことを嫌う傾向がある。ハリウッド女優、アメリカ人、バツイチ、アフリカ系といったメーガン妃の出生、経歴などをもともと快く思わない人たちも少なくなかったのだろう。
夫妻のインタビューをアメリカで複雑な思いで見ていたはずなのが、秋篠宮家の眞子内親王の婚約者、小室圭氏だ。秋篠宮皇嗣、宮内庁長官に続いて天皇からも「国民への説明」を求められたことで、いよいよ記者会見が待ったなしとなり、自分が会見したら国民やメディアがどう反応するか、想像せざるを得なかったに違いない。
「昨年末、西村泰彦・宮内庁長官は、結婚の障害となっている小室家の金銭トラブルについて、『説明責任を果たしていくことが極めて重要』『沈黙することで、かえって国民に誤解を与える』と、かなり強い言葉で小室さんに迫りました。その回答については、小室さんから文書かビデオメッセージが出されるという話が出ていましたが、最近になって、そうではなくて眞子さまと2人で記者会見を開くのではないかという話も浮上していたのです。だからこそ、真実を話したことで国民から総スカンを食ってしまったヘンリー王子とメーガン妃のケースは否が応でも気になりますね」(皇室記者)
メーガン妃の告白によれば、王室入り直後から王室メンバーによるいじめとも取れる言動があったというが、それは閉ざされた宮殿内の話。妃に対する国民のバッシングが本格化したのは、メディアに出まくる実父との確執が公になってからだった。事情はまるで違うとはいえ、小室氏の場合も自身の問題というより実母の起こしたトラブルで国民にそっぽを向かれてしまった経緯はメーガン妃と重なる。母を非難することもできず、かといって自分のことでもないので、「お金を返します」と言うこともできないのであれば、どんな会見をしても簡単には国民を納得させられないだろう。