菅義偉首相の長男接待問題で辞任した山田真貴子・前内閣広報官。自ら名乗った「飲み会を絶対断わらない女」というフレーズは話題を呼んだが、原点は都内屈指の進学校である東京学芸大附属高校時代にあったようだ。
山田氏の同級生である精神科医の香山リカ氏はこう話す。
「クラスが一緒になったことはないのであまりよく知らないのですが、人の前に出ることもなく、まじめな方だったという印象があります」
学芸大附属高の同窓会誌には、女性初の内閣広報官となったばかりの彼女が寄稿。同校の後藤貴裕副校長によると、「当校の同窓会が昨年12月に発行した同窓会誌『泰山木』に掲載された」とのこと。その原稿はこんなふうに始まる。
〈私の人生で最も「暗い」時代が高校での3年間だった。(中略)彼氏もできずアベックストリート(今もあるのかな)を通ったこともなく、挙句に東大受験にも失敗してしまった。本当に目立たない生徒でした〉
そんな山田氏の“転機”となったのがこの場面だ。
〈そんな私を可哀そうに思ったか、大学入試に落ちた報告に行った帰りに、担任だったX先生(冊子では本名)がお鮨と日本酒(!)を奢って下さった。ある意味自由な時代だったと思う〉
未成年飲酒の問題はさておき、「飲み会を絶対断わらない女」誕生の瞬間と言えよう。これがきっかけとなり、〈大学生、そして社会人になってはじけて、遊びも飲み会も仕事も「来るもの拒まず」を旨としてチャレンジするようになったお蔭か、運も開けた〉として、〈若い皆さんには是非、「向こう見ず」と言われてもいろいろなチャレンジをしてもらいたいと反省も込めてお伝えしたい〉と現役高校生にメッセージを送る山田氏。
よもや、その「来るもの拒まず」がこんな結果を招こうとは。最初に奢った先生の心中やいかに。
※週刊ポスト2021年4月2日号