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生理への悪しき誤解の歴史 70年代には月経日が犯罪捜査に使われた

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女性の月経は「穢れ」として扱われてきた(写真/GettyImages)

 はじめての生理が来た日から、女性の体はホルモンの周期に左右される。テストの日とかぶったらどうしよう、PMS(月経前症候群)で倒れそうなほど眠いのに出張で5時起きだ、お得意様へのプレゼン中にホットフラッシュが起きたら……これまで胸の内だけでつぶやいてきた言葉を、もう、口に出してもいい。

 不快さや苦しさも含め、生理や更年期など女性特有の体の変化は、口に出して話すことがはばかられる雰囲気があった。それどころか、「生理中の女性は鳥居をくぐってはいけない」「女性は月経があるから酒蔵に入ってはいけない」などといわれてきた歴史がある。『生理用品の社会史』『月経と犯罪“生理”はどう語られてきたか』などの著書がある歴史社会学者の田中ひかるさんが解説する。

「前近代は、月経は『穢れ』と扱われ、明治以降は女性の『不安定性』の根拠とされてきました。医師や犯罪学者たちが、女性の犯罪や自殺は、月経のときに多いと説いていたのです。1970年代には、月経日が犯罪捜査に使われ、それを1つの根拠として女性が逮捕されたこともありました。逆に、月経が犯罪の『免罪符』となった例も多数あります。

 このように月経についての誤解が横行していた背景には、月経がタブー視されていて、当事者である女性たちが語ることができなかったという事情があります」(田中さん・以下同)

 月経中であることを告白することにより、思いもよらない事件に巻き込まれるということもあったのだ。その後、半世紀が経過し、月経に対するタブー意識はかなり薄らいだ。

「最近は生理用品を必要とする誰もがそれを入手できるようにしようという考え方である『生理の平等化』の世界的な流れや、SNSの普及、フェムテック(※注)市場の急速な拡大により、月経について語りやすい風潮になってきています」

【※注:female(フィメール/女性)とtechnology(テクノロジー/技術)を掛け合わせた造語で、「女性の健康課題をテクノロジーで解決するサービスや製品」】

※女性セブン2021年4月1日号

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