かつてテレビで数多く放送されていたアトラクション型ゲームバラエティ。一家団欒の時間に見る人も多かったこのジャンルの番組が、いま再び増え始めている。その背景についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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21日夜、3時間特番の『戦闘中~大江戸決戦!忍の乱~』(フジテレビ系)が放送されます。同番組は、武器の“バトルボール”を敵に命中させれば他のプレイヤーを脱落させることができ、最後に生き残った者だけが勝者となるサバイバルゲーム。『逃走中』(フジテレビ系)の派生番組として2012年から9回に渡って放送されましたが、今回は2018年5月以来3年弱ぶりであり、期待の声が挙がっています。
その『逃走中』も4月4日に3時間特番が予定されていますが、アトラクション型ゲームバラエティはこれだけではありません。音楽ゲームをアトラクション化した『オトラクション』(TBS系)は、2度の特番放送を経て4月13日から火曜19時台のレギュラー放送がスタートします。
また、3月9日には、人間を襲う鬼を撃ち倒すシューティングサバイバルゲーム『THE鬼タイジ』(TBS系)がゴールデンタイムの2時間特番で放送。さらに、「音を出したら失格」というシンプルなルールの『音が出たら負け』(日本テレビ系)も、2月10日にゴールデンタイムの2時間特番で放送されました。
もう少しさかのぼっても、1月4日にクイズと運動をミックスした『カラダで答えろ!ボディアンサー』(TBS系)、昨年12月6日にひたすら壊しまくりタイムを競う『クラッシュパーク』(日本テレビ系)、11月22日に水上セットから落ちることなくゴールを目指す『超水上サバイバル オチルナ』(フジテレビ系)、11月4日に松丸亮吾さん監修の謎解きにアトラクションを組み合わせた『キズナデビルの挑戦状』(テレビ朝日系)、10月30日に人間が移動しながらすごろくで競う『リアルボードゲーム』(TBS系)、8月30日に無数のトラップが仕掛けられた屋敷を攻略する『トラップハウス』(日本テレビ系)が放送されました。
レギュラー番組放送されている『VS魂』(フジテレビ系)も含めて、なぜ今、アトラクション型のゲームバラエティがこれほど増えているのでしょうか。
クイズ番組より見た目が派手なゲーム
きっかけとなったのは昨春の視聴率調査リニューアル。「どんな人が何人見ているか」がわかるようになったことで、民放各局がスポンサーの求めるファミリー層に向けた番組制作を進めています。
実際、日本テレビとフジテレビは13~49歳、TBSは13~59歳を視聴ターゲット層に定めていましたが、今春からTBSはさらに10歳若返らせてキッズを含めた4~49歳に変更。前述した『オトラクション』は、その戦略に沿ってレギュラー化されたものであり、無人島からの脱出やサバイバルゲームなどアトラクション性の高い企画が軸の『アイ・アム・冒険少年』も、今春に月曜21時台から19時台に前倒し放送されます。