芸能

おいでやす小田 絶叫芸は妄想の産物、目指すは「究極の緊張と緩和」

おいでやす小田(右)の絶叫芸はどう生まれた?(写真/AFLO)

おいでやす小田(右)の絶叫芸はどう生まれた?(写真/AFLO)

 おいでやす小田は、昨年の『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)でピン芸人同士のユニット「おいでやすこが」がブレークして以降、テレビで見ない日はないほどの活躍を続けている。ピンとコンビでは何が違うのか。ノンフィクションライターの中村計氏が聞いた。

 * * *
 闇を切り裂くような笑い。僕が今、ピン芸で目指している到達点はそこなんです。たとえば、厳粛な雰囲気の記者会見の席で、僕がいつものように「なんや、これーっ!」って絶叫したら絶対、笑っちゃうんですよ。究極の緊張と緩和です。

 僕のネタは最初の30秒で、こいつは尋常じゃないぞ、とどこまで思わせられるかが勝負。空気が重くなればなるほどいい。そうしたら、あとは少しの緩和で大爆笑が起きますから。

 デビューから約10年、僕はコンビで漫才をしていました。あの頃は、できもしないのに「たとえツッコミ」とかをやっていましたね。いつも「相方はええけど、おまえがな……」と言われていて。なので、ピン芸人になったときも絶対、無理やって思われていました。ただ、僕は人とのコミュニケーション能力が著しく劣っているので、コンビはもっと無理なんです。

 1人になって初めて舞台に立つときは緊張どころの騒ぎじゃなかった。今も緊張します。ただ、あきらめられるようになった。滑るときは滑る、1人なんやし、しゃーないやんって。

 代名詞でもある絶叫芸は、単純に、そういう人がいたらおもろいやろなという僕の妄想の産物です。いつも言っているのですが、決して僕がそういうタイプなわけではない。ちょっとお洒落で、静かなコントとかもあるんですけど需要がないんです。まあまあウケるおっさんピン芸人なんて、誰も必要としてくれない。だから絶叫系のネタばっかりになっちゃったんです。

 僕は2018年に大阪から東京に拠点を移しました。あまりにも仕事がなくて……。でも東京に来たら、普通に倍ぐらい仕事が増えました。大阪は漫才文化なので、ちょっとおもろいピン芸くらいだったら、無名の若手漫才師の方が重宝されるんです。なので僕は関西のピン芸人みんなに言うてますよ。やるんなら東京の方がええで、って。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン