昨年3月29日に、新型コロナウイルスによる肺炎によって亡くなった志村けんさん(享年70)。一周忌を前に、彼の私生活を約15年間、人知れず見守ってきた家政婦の星野初弥(はつみ)さん(35才)が本誌・『女性セブン』の取材に応じた。
「自分を見てくれる人を笑顔にするため、必死に努力をし続けていました。志村さんは自分がやりたいからではなく、待ってくれて喜んでくれる人のために一生懸命やろうという心を持った方でした。
あれから1年経ってようやく私は、志村さんのそんな素顔を、人に伝えたいと思えるようになりました。本当に真摯な方でした」(星野さん・以下同)
そう語る星野さんは、志村さんが亡くなるまで東京・三鷹市にある志村さんの自宅に出入りし、身の回りの世話や病院への付き添いを重ねてきた人物だ。
数々のゴールデンタイムの冠番組で活躍した志村さんだが、星野さんが知るその素顔は「テレビで見る彼とはまったくの別人。自宅では口数の少ない本当に静かな人でした」。
多くの女性と浮き名をながしながら最後まで伴侶を選ぶことはなかった志村さんのこんな姿も覚えているという。
「周りからは『独身で気楽だ』なんて言われていましたけど、志村さんは『おれは家族を持ってはいけない』とお話しされていたことがあったんです。考えに考え抜いて結婚しないことを選んだんだと。
有名人である自分と一緒になることで窮屈な思いをさせたり、子供がいじめられるようになることが耐えられなかった。自分といると家族が危険と隣り合わせになるんじゃないかと、もらしていたこともありました」
2004年12月、志村さんの自宅に空き巣が入り、被害総額は現金と貴金属などを合わせて1500万円相当にものぼった。
「空き巣によって刃物で切り裂かれたカーテンや家具はずっとそのままの状態で残されていました。家じゅうの引き出しが開けられていて、相当怖かったと聞きました。志村さんはベッドの下に護身用の刀を置いていましたが、この事件がきっかけだったようです。
だいぶ前の話ですが、志村さんがかつての恋人のことを話されたことがあって。『愛していたからこそ結婚しなかったんだよ』と言っていたのを覚えています。その裏には、愛する人を危険な目に遭わせられないという思いがあったはずです」