都心では桜の開花の便りも届いたが、朝晩はまだまだ冷える今の時期は温泉が最高。岩手県出身のフリーアナウンサー・葛巻舞香さんが、つなぎ温泉の魅力を紹介する。
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盛岡の奥座敷・つなぎ温泉はアクセス抜群。盛岡駅から30分ほどのドライブで眺望に恵まれた天然温泉を満喫できます。『湯守ホテル大観 別邸うらら』は露天風呂付き客室から岩手山に縁取られた御所湖のパノラマが一望できて、とても贅沢。湯の花も浮かぶかけ流しの温泉にはとろみがあり、湯上がりはしっとり吸い付くような肌に潤います。
岩手の好きなところは人柄が穏やかで、訪れた先で実家のような温かさが感じられるところ。盛岡市内にはそんな岩手人の想いを肌で感じられる場所がたくさんあります。
『ベアレン醸造所』はヨーロッパのビール文化を尊重し、昔ながらの製法で地ビールを手造り。本場ドイツのクラシックな銅釜で造られたビールは角がなく、まろやかです。ヨーロッパでは地元の醸造所でビールを楽しむ文化があるそうで、ここでもできたての地ビールを試飲できます。工場見学もでき、造り手の情熱に触れるとビールの喉ごしもまた格別です。
名物・盛岡冷麺なら『焼肉・冷麺 髭』です。1973年の創業から一途に味を守るスープは和牛の牛骨や牛スジ、丸鶏、鶏ガラに煮干しを合わせたコクのある味わい。自家製の大根キムチはスープの中に入れずに箸休めとして楽しむのがお気に入りです。
岩手の自然の恵みと生産者の想いを盛岡から発信するのは、『銀河堂1890Sweets&Bakery』。県民のソウルフード「福田パン」とコラボした三陸産タラフライサンドを始め、藤原養蜂場の蜂蜜、奥州のいわいどり、野田村の自然海水塩など様々な岩手産の食材と出会えます。岩手は全国屈指のタラ漁獲量や鶏肉流通量を誇る、食材の宝庫。PRが下手な県民性ですので(笑い)、旅を通じて岩手の美味を知っていただけたら嬉しいです。
【プロフィール】
葛巻舞香(くずまき・まいか)/岩手県出身。モデル、フリーリポーター。現在は『じゃじゃじゃTV』(IBC岩手放送)レギュラー他、多方面で活躍。
撮影/小松潤 取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2021年4月2日号