東京五輪は、前代未聞の“海外無観客”となる見通しだ。コロナ禍のなかで開かれるスポーツの祭典はあらゆる面で異例尽くしとなるだろう。たとえば選手全員に対し、入国時だけでなく滞在中も4~5日おきにPCR検査を実施するといった対策案も伝えられている。果たしてどのような五輪になるのか。
有名アスリートの“ボイコット”
今回は、有力選手の参加辞退が懸念されている。前回の2016年リオ五輪では、伝染病であるジカ熱が世界的に流行。世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を出す事態に発展した。
そのためゴルフでは当時世界ランク1位のジェイソン・デイをはじめ、ローリー・マキロイ、アダム・スコット、松山英樹などトッププロたちの多くが出場をキャンセルした。
「ゴルフやテニスなどは五輪の優先度が低く、プロ選手はメジャー大会を優先する傾向があります。3月14日には、現マスターズチャンピオンで男子ゴルフ世界ランク1位のダスティン・ジョンソンが『PGAツアーに集中する』と五輪の不参加を表明した。コロナの収束が見通せない中での開催では、出場を見送る選手がさらに出てもおかしくない」(スポーツジャーナリストの玉木正之氏)
フェンシング男子ドイツ代表で、2014年世界選手権の金メダリストであるマックス・ハルトゥングも、感染の拡大状況によっては五輪に参加しない可能性を示唆している。
バスケの「ドリームチーム」も見られない!
五輪ではバスケットボールの人気も高い。アメリカのプロリーグ・NBAのスター選手を集めた「ドリームチーム」を一目見たいというファンが多いからだ。昨年2月に発表された米国代表42人には、現役最高選手と言われるレブロン・ジェームスの名前もあったが──。
「東京五輪には本来のメンバーを集めることができないのではないか。NBAはコロナの影響で開幕が遅れ、五輪期間とプレーオフが重なってしまった。有力選手は軒並み五輪を回避するでしょう」(スポーツ紙記者)