誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏が、3連単で払い戻し10万円を超えるための法則について考察する。
* * *
3連単の登場は2004年。JRAではしばらく後半の4レースのみに導入、2008年から全レースに実施された。当初は、そんなもの当たるわけないと言われたそうな。
そんなおり、友人が『恋の3連単』なる歌詞をレコード会社に持ち込んだことがある。高嶺の花への男心を綴ったものの「そんなもの売れるわけない」とボツ。採用なら誰が唄ったのか。案外コミックソングとして一発があったかもしれぬ。
前回、迫力ある3連単を当てると宣言した。一発の魅力である。目標は払い戻し10万円超え。予想のファクターとして、そのときの3頭の人気順を知りたいのだった。
そこでJRA-VANの「TARGET」を使ってデータを取った。ちなみにこれは劇的利便性。もっと早く購入しておけばよかった。これまでの手作業が短時間で済む。でもあれやこれやと面白いので長時間机にへばりついてしまった。
2020年の3456レース中、3連単10万円超えは839件。ほぼ4分の1である。
そのうち1~3人気馬が1つでも絡んでいたのは141回、2つ絡みとなると82回。けっこうある。3つ絡みはゼロ(そりゃそうだ)。
上位人気3頭全部が飛んだのは698回。まあ、だから高配当になる。
人気馬が2頭絡んだとき(82回)の着順に注目する。3つのうち2つが「人気している」のだから、1着は人気薄ばかりというイメージだった。
ところがそうでもないようだ。1~3人気が勝ったのは52回もあった。