中国科学院の研究グループはこのほど、中国北西部の陝西省渭南市澄城県の劉家窪遺跡の墳墓にあった青銅製の瓶のなかから、6gの残留物を発見。「当時の貴族の男性が使った顔を白くする白粉のような化粧品であるとみられる」と発表した。
劉家窪遺跡は春秋時代(紀元前770~403年)の貴族の墓で、周王朝の墳墓によく似ており、「2018年中国考古学十大発見」に選ばれている。
この遺跡からは、穀物を盛ったとされる器や金製装飾品を含む大量の埋葬品を発掘されており、周から春秋時代の貴族の華やかな生活を伝えている。2700年もの前の遺跡から男性用の化粧品が見つかったのは初めて。
中国国営の新華社通信によると、2017年に発見された劉家窪遺跡は、東側に墳墓、西側に居住地の遺構に分かれており、墳墓は貴族階級の「大夫」に属していたとみられている。
現在までに56か所の墳墓、馬や馬車を副葬した車馬杭2か所のほか、馬をつなぐ杭が発見されている。さらに、2本の道が墓をはさむようにつながっており、「中」という漢字のような大きな墳墓も2か所発見されている。
青銅製の小さな瓶は埋葬された貴族の遺品をみられており、科学者らが3年間以上の年月をかけて、その成分を分析しており、最近、研究結果がまとめられたという。
それによると、6gの内容物は牛脂の中に酢酸カルシウム一水和物を混ぜ合わせたもので、顔を白くするために使われたと推定される。