ストックホルムで行われたフィギュアスケート世界選手権に出場した羽生結弦。コロナ禍で今季は日本で調整したため、コーチ不在のまま新プログラムをほぼひとりで完成させた。世界選手権では4年ぶりの優勝に期待がかかる中、ショートプログラム(3月25日)を終えた時点では1位だったが、フリー(3月27日)ではジャンプでミスが続く結果に。終わってみれば、日本の新星・鍵山優真選手が初出場ながら2位に躍進した。
波乱の結末にも、「確実にレベルアップし、うまくなっている。限界の感じはない」と力強く言い切った。北京五輪イヤーでもある来季については「やめる、やめないじゃなくて、4回転半を跳べないと一生、満足できない。4回転半を目指す状況の中に五輪があれば考えます。ただ、最終目標は五輪で金メダルではなく4回転半を成功させること。あと8分の1、回れば立てます。間違いなく」と現役続行を明言した。
逆境を糧に成長し続けるその姿勢にこそ、“絶対王者”の揺るぎない真価がある。
写真/AFLO
※女性セブン2021年4月15日号