わずかひと月でまたやった。3月26日に河村建夫元官房長官(78)の議員在職30年を祝うパーティーで「河村さんの部屋に大変なおばちゃんがいる。女性というにはあまりにもお年だ」と挨拶した森喜朗元首相(83)。
女性蔑視発言で東京五輪組織委会長を辞任したばかりとあって猛批判を浴びたが、一方でこの女性秘書との関係は語られていない。パーティーの主催者・河村氏が語る。
「秘書の中内節子さん(89)です。1963年からこの世界にいらして、元々は福田赳夫さん(元首相)の側近だった田中龍夫さん(元通産大臣)の秘書でした。森さんが今松治郎さん(元衆院議員)の秘書をしていた頃の先輩格に当たります。大学も森さんと同じ早稲田の英文科卒。2人は50年来の付き合いです」
現役議員秘書ではおそらく最古参。
「今はうっかり使える言葉ではないけれど、あの方は“女傑”。親しみを交えて、ああ言っちゃったんだろうな」(同前)
森氏は、昨年2月に中内氏の米寿の祝いにも駆けつけたという。
「来てもらうのは申し訳ないから、声をかけなかったんです。そしたら『どうして俺を呼ばない』と怒られて、当日も挨拶してくださった」(同前)
中内氏の交友は森氏だけに留まらない。河村氏の秘書で、長男の河村建一氏はこう語る。
「安倍(晋三)先生や小泉(純一郎)先生とも親交があります。小泉先生が総理に就任した頃(2001年)、レストランで偶然小泉先生に出くわしたんです。中内さんは『あら純ちゃん、あなたも偉くなったわねえ! うちの先生(河村氏)を文科大臣にしてくれて、ありがとね』と声をかけていました。小泉先生も立ち上がって挨拶されていました」
中内氏は昨年末から体調を崩し、現在は休養中。総理経験者をもってしても中内女史は「あまりにも格上」の存在だった。
●取材・文/西谷格(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2021年4月16・23日号