全国の公立小学校で入学式のピークを迎えている。コロナ禍の入学式は、校庭開催や来賓なしでの開催など、その様相を大きく変えた。ただ、それのみにとどまらず、令和の学び舎では保護者も驚く異変が次々と起きていた──。
昔は情操教育の一環で、小学校ではウサギや鶏などを飼っていた。しかし、令和の小学校では、その飼育小屋が消えつつあるという。
「動物アレルギーの子がいますし、長期休みの当番で揉めることもある。繁殖して増えると、飼育小屋でおさまらなくなって、引き取り先もない」(千葉県の小学校教員で教員向けの著書などが多数ある城ヶ崎滋雄氏)
トイレは全部個室に
プールに入る前に腰まで浸かって塩素消毒する腰洗い槽も今は使われていない。文科省の学校環境衛生管理マニュアル(平成30年度改訂版)で、数十秒間の適切なシャワーで同程度の殺菌効果が得られるとされ、使われなくなった。ぎょう虫検査も、衛生環境の改善で寄生虫感染が激減したため、2015年度を最後に一部を除いて廃止された。
学校のトイレでは、和式便器だけでなく、男子用小便器までも姿を消しつつある。
「和式便器の使い方を知らず、金かくしを背にして座るような子もいる。都市部の新設校や古い学校の改装では、男子用の小便器を廃止しすべて個室化するケースが多い。“大便をしている”とからかわれ、いじめにつながるのを防ぐのと、プライバシーの尊重が理由です」(教育評論家・石川幸夫氏)
※週刊ポスト2021年4月16・23日号