コロナ禍の入学式は、校庭開催や来賓なしでの開催など、その様相を大きく変えた。ただ、それのみにとどまらず、令和の学び舎では保護者も驚く異変が次々と起きていた──。
不審者対策のため、名札を廃止する小学校が増えている。クラスの連絡網も、住所や電話番号などの個人情報が漏れるので今は廃止され、連絡事項は一斉にメールで送られるようになった。
体育では、10年以上前から女子のブルマーは廃止され、男子と同じハーフパンツになっている。理由は言わずもがなだ。
子供の人権への配慮からあだ名も禁止され、男女平等の視点から、教師が生徒を呼ぶ際は男女とも「~さん」とし、名簿も男女別ではなく、男女混合になっている。
都市部では、近隣住民への騒音への配慮と、生徒の自主性を高める目的でチャイムを廃止する学校もある。
「廃止に至らなくても『カーン』など1回だけ、始業と終業のどちらか一方だけ鳴らす学校が増えている」(千葉県の小学校教員で教員向けの著書などが多数ある城ヶ崎滋雄氏)
子供の頃、「先生が家に来る!」とドキドキした家庭訪問も、今は玄関先で済ますのが主流だ。地方の中学校に勤めるベテラン教員はこういう。
「共働き世帯で対応できない親御さんも増えたため、家庭訪問そのものを廃止した学校もある。本来、家庭訪問は生徒の居宅の位置を把握し、緊急時にすぐ対応できるようにすることや、家の様子から親子関係をつかむことを目的としていた。親御さんも、学校の三者面談では話せないが、家では話せるということもあるので、大事な行事だと思うのですが……」