DeNAから巨人へFA移籍してきた梶谷隆幸(32)の調子が上がらない。開幕から全試合にスタメン出場しているが、4月14日まで打率1割7分7厘と低迷している。巨人は4月4日に中島宏之、丸佳浩、若林晃弘、ゼラス・ウィーラーという主力選手に新型コロナウイルスの陽性判定が出たことで出場選手を大幅に入れ替えたが、打線は沈黙。開幕2戦目から12試合連続3点以下という球団ワーストタイ記録を作ってしまった。4番・岡本和真と梶谷の不調も大きく影響している。プロ野球担当記者が話す。
「梶谷は元来、春先は調子の良い選手です。2013年の夏にレギュラーを獲得して以降、翌年から昨年までの3、4月(2020年は開幕が遅れたため6月)の通算成績は、打率2割9分と打っています。2015年には月間MVPも取っています。一昨年は24打数1安打と絶不調でしたが、シーズンを通して数字が上がらなかった。昨年は9月に月間最多安打の球団記録を作りましたが、もともと良いスタートを切るものの、夏場に息切れしてしまうタイプという印象です」
昨年は106試合で先頭打者を務め、リーグ2位の打率3割2分3厘をマーク。巨人に移籍した今年も開幕から10試合連続で1番に座ったが、結果は出ていない。
「中畑清監督のDeNA時代には『1番はやりづらい』と漏らしたこともあったそうです。梶谷は2017年に157三振で三振王になっていますし、今年も阪神の佐藤輝明に次ぐリーグ2位タイの15三振(4月13日現在)を記録している。三振の多さは今までと変わっていない。試合の流れや状況に応じた打撃を求める、原辰徳監督の理想とする1番には向いてないのかもしれません。長年、梶谷はトリプルスリーを達成できる潜在能力があると期待されてきましたが、1年を通じてDeNAファンの思うような活躍をしたのは昨年だけ。巨人が過大評価している気もします」
最近7年間の成績を見ても、規定打席到達は5度で、3割達成は昨年の1度だけ。2018年、2019年は怪我もあって、ともに41試合の出場に終わっている。チーム試合数の9割以上に出場した年は4年しかない。
「時折、潜在能力が開花して、大爆発をする。だから、DeNAファンは梶谷に夢を見ていた。それが、昨年はシーズンを通して続いた。かといって、今年も活躍できるとは限らない。守備と足は計算できますから、7番あたりに置いて、たまに出る一発に期待した方が現実的かもしれません。ただ、巨人では打率2割6分、15本塁打くらいの成績だと、レギュラーの座は危うくなるでしょう」
新外国人のスモーク、テームズの合流、コロナ陽性者の復帰も近くなっている巨人。今のうちにアピールしないと、梶谷はレギュラーの座すら危うくなるかもしれない。