国内

解散権封じられた菅首相 トリプル補選劣勢でさらなる窮地に

菅義偉・首相の次なる一手は?(写真/共同通信社)

菅義偉・首相の次なる一手は?(写真/共同通信社)

 バイデン大統領との日米首脳会談という“大一番”に臨む菅義偉・首相には、何が何でも外交成果をあげなければならない“内政の失態”がある。目論んでいた「4月解散」が事実上“断念”に追い込まれ、与党内から「解散する力もない総理」と冷ややかな視線を向けられているからだ。そのうえ外交にも失敗すれば、政権から一気に転落しかねない。

「自民党の総裁選挙の前に解散することも当然ありうる」

 首相は「まん延防止等重点措置」を大阪、兵庫、宮城に適用した翌日(4月6日)、BS日テレの『深層NEWS』のインタビューで9月の総裁選前の解散に言及し、官邸から流れていた「4月解散」説を大きく後退させた。

 官邸で練られていた解散シナリオは、「日米首脳会談から帰国後、政権の看板であるデジタル庁法案を4月中に成立させ、実績をつくって解散・総選挙に持ち込む」というものだったとされる。

 しかし、7月の東京都議選(7月4日投開票)に全力投入する公明党・創価学会は都議選前の解散・総選挙に反対。4月解散を「極めて非現実的」と発言してきた山口那津男・代表は、解散論が強まると官邸に首相を訪ね(3月23日)、「うちは都議選前の総選挙は認められない。山口さんは、それでも解散するなら自民党との選挙協力は難しくなると首相にほのめかした」(公明党筋)という。

 首相の解散権を縛ったのは公明党だけではない。参院自民党も解散に“待った”をかけた。

 前述のように、菅首相は「解散準備」のために二階俊博・幹事長にデジタル庁法案の審議を急がせ、異例のスピードで4月6日に衆院を通過させた。ところが、なぜか与野党国対委員長会談で参院での審議入りが1週間先送りされ、審議の日程上、同法案の4月中の成立は不可能になった。

「参院自民党を仕切っているのは細田派、竹下派、麻生派の3派連合で、二階氏の力は及ばない。デジタル庁法案の熟議を主張したのは世耕弘成・参院幹事長と末松信介・参院国対委員長の細田派コンビで、バックには、菅首相に思い通りに解散権を行使させたくない安倍晋三・前首相と麻生太郎・副総理の思惑がある」(参院ベテラン議員)

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
M-1での復帰は見送りとなった松本(時事通信フォト)
《松本人志が出演見送りのM-1》今年の審査員は“中堅芸人”大量増へ 初選出された「注目の2人」
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン