三浦大輔新監督を迎えた横浜DeNAが低迷している。開幕6連敗でスタートし、4月9日から3カード連続で勝ち星なし。現在、8連敗中で借金12と最下位を独走している(記録は4月18日現在。以下同)。プロ野球担当記者が話す。
「まだシーズンは始まったばかりで、ソトやオースティンも復帰した。これから浮上する可能性はあります。ただ、フロントの責任はもっと問われるべきでしょう。外国人選手が開幕前に来日できなかった不手際は言わずもがなですが、首脳陣が昨年とほとんど変わっていない。1、2軍のコーチを数人入れ替えただけで、新任は仁志敏久2軍監督だけ。
普通の球団なら、新しい監督が就任すれば、腹心のコーチを数人据える。三浦監督は生え抜きで、一昨年は投手コーチ、昨年2軍監督を務めていた。チーム事情をよく知る今の首脳陣を望んだのかもしれませんが、Bクラス転落の責任を取って監督が交代したのに、コーチがほとんど変わらない球団は珍しいですよ」(以下同)
コーチを生え抜き中心で固める球団体質は、DeNAが経営する以前から変わっていない。権藤博監督は就任1年目の1998年に38年ぶりの優勝に導き、3年間Aクラスを保ったが、2000年限りで退任。翌年には、西武の指揮官を9年務めリーグ優勝8回を達成した森祇晶監督が就任した。この時、森監督はともに西武の黄金時代を築いた黒江透修ヘッドコーチを連れてきたが、その他のコーチはほとんど前年と変わらなかった。
「チーム力の向上は、監督と選手がいかに同じ方向を向けるかに懸かっている。特に、バントをしないと公言していた権藤監督と5点勝っている終盤でもバントをする森監督では、目指す野球が全く違った。それなのに、森野球を完全に理解しているコーチは黒江ヘッドしかおらず、他のコーチ陣は戸惑った。この年、横浜は3位に滑り込み、オフに森野球をよく知る森繁和投手コーチ、辻発彦守備走塁コーチが就任します。しかし、2002年は最下位を独走し、シーズン途中で森監督が解任されました」