緑のナイキのパーカー、キャップを後ろ向きにかぶって仕事先から出てきたあばれる君(34歳)。自身が特技としているラップを今にも口ずさみそうないでたちで、颯爽と出てきたかと思えば、ファミリーカーを自ら運転して家路を急ぐ。
4月上旬、出演する人気バラエティ番組『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)で「年内に第二子が誕生する」ことを発表したばかり。無人島から脱出するまでの時間を競う同番組の人気企画「脱出島」では“絶対王者”と呼ばれるほどの大活躍を見せ、その高いサバイバル力はあばれる君の新たな魅力にもなっている。
ある芸能記者も「あばれる君の人気がより高くなったのは、間違いなく『脱出島』です。第二子の年内誕生を突然発表したときも、暗闇の中で必死にオールを漕ぎながら『俺は頑張るよ! 生まれてくる子供のために!』と熱く語っていたのが印象的でした。
同企画の絶対王者として番組との信頼関係もできているため、この番組での発表となったのでしょう。それだけ見せ場を作りつつも、結局この回はイケメン芸人EXITに負けて2位だったというのも、いつも空回りで笑いをとるあばれる君らしくて面白い」と語る。
暑苦しいほどのガッツで笑いをとりにいこうとするも、予測不能な空回りを見せるのがあばれる君の持ち味。それがここ数年で世に浸透してきたからなのか、松本人志プレゼンツの芸人同士の笑わせ合いバトル『ドキュメンタル』(Amazonプライムビデオ)の最新作となるシーズン9にも召集され、彼らしい笑いを量産している。
番組を見たある放送作家は「あばれる君の魅力を再確認しましたね。松本人志さんが主宰する最も尖った純度100%のお笑い番組のため、本人もいつも以上に気合が入っていたのでしょう。序盤である異臭騒ぎを起こすのですが、実はこれ、現場では耐えられないほどの異臭になったらしく、収録が一時止まるほどのニオイだったとか(笑い)。
本人もさすがに今回ばかりは空回りしすぎたと猛省していたようですね」と人気番組の舞台裏を明かす。
あばれる君の芸人人生をひもとくと、2008年駒澤大学在学時にお笑いアマチュア選手権大会で特別賞を受賞、ワタナベコメディスクールに特待生として入学。卒業と同時にワタナベエンターテインメントに所属し、芸人としての道を歩むようになった。つまり、デビュー時は意外にも鳴り物入りのエリート芸人だったのである。
前出の放送作家は「デビュー当時は“熱血ひとり芝居”という暑苦しい男が空回りするひとりコントをやり続けていて、業界内では評価が高かった。いざテレビに呼ばれるようになると共演する芸人たちがこぞって面白がり、わかりやすく大汗をかいてくれるため、制作サイドも起用しやすかったと思いますね。