4月12日から日本国内でも高齢者向けの新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。現在、日本で接種されている唯一のワクチンは、米ファイザー製だ。厚労省によると、同ワクチンの接種から数日以内に生じる可能性がある副反応は、「接種部位の痛み、疲労、頭痛」が50%以上、「筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部位の腫れ」が10~50%、「吐き気、嘔吐」が1~10%だ。
インフルエンザワクチン接種後に接種部位の痛みが生じるのは10~20%とされ、コロナのワクチンの方が、副反応の発現率が数倍高い。血液内科医の中村幸嗣さんが指摘する。
「接種部位の痛み以外のさまざまな副反応も、コロナワクチンの方がインフルエンザワクチンより数倍多いとされます。この傾向は若者や女性ほど強くなっていますが、副反応は免疫ができた証。1~2日で治まるので、むしろ安心してほしい」
ただ、気がかりなのは、接種後に重度の障害がみられたことだ。
米フロリダ・アトランティック大学医学部の研究者らの論文によれば、ファイザー製ワクチンを接種した健康体の82才女性は、接種2週間後に歩行器具に頼らないと歩けなくなった。研究者らは、ワクチン接種後に何らかの理由により、複数の末梢神経に障害が生じる「ギラン・バレー症候群」が誘発された可能性を示唆している。