誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏は、夢の10万馬券を目指すべく、データを解析した。人気馬にからめる人気薄馬について考察する。
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3連単払い戻し10万円超え893回(2020年1~12月)のうち、未勝利戦は235回。迫力配当の狙いをここに絞ってみた。3連単5頭ボックスで、上位人気馬2頭に人気薄3頭を絡める。この人気薄の選定である。
未勝利戦の妙味は? 例外もあるが、どの馬もあまり走ってなく情報も少ない。人気薄ならば前走大敗も多い。かといって力がないとは限らない。短所のみならず長所も露わになっていない。馬脚を現わしてないから、「なんだ、走るじゃん」ってこともありそうなのだった。
そんな馬が勝ったときの傾向がつかめれば面白い。前走大敗後に鞍上や芝・ダート、距離などを変え、そして勝ち切った。つまりはテコ入れの奏効である。
未勝利戦235回のうち8番人気以下の馬が勝ったのは61回。そのうちなにも変えなかったのが9回。距離も芝・ダートも鞍上も大敗時のまま。自信があったんでしょうね。
顕著なテコ入れは乗り替わりで36回。距離延長が25回、短縮は14回。ダート替わりは14回(芝替わりは2回)。
足元が同じ場合、距離延長が20回。短縮4回。しかしダート替わりに限ると、距離短縮が10回で延長は3回。
整理すると、やはり騎手乗り替わりは要注目。距離は延長が芳しい。ただし足元がダートに替わったときは短縮が良さそう。そして芝替わりはほぼ切ってもいいレベル。
次に61頭の新馬戦の人気を見てみる。テコ入れしなかった9頭、さぞや上位人気が多いかと思ったが、3人が1頭のみで、あとは8人以下。テコ入れ馬でも新馬戦の人気に顕著な傾向は見られなかった。