映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が、3月8日の公開から2か月近く経ち、興行収入は4月26日発表時で、80億円、累計観客動員数が523万人を突破する大ヒットとなった。
アニメ映画は、昨年の『劇場版『鬼滅の刃』無限列車編』の397.8億円を筆頭に、新海誠監督の『君の名は』の250.3億円、ジブリ作品など100億円超えは、ままあるといえる。ただ、あるアニメ雑誌編集者は「老若男女が見るわけではないロボットアニメは、あの『ガンダム』シリーズですら100億円には届かなかった。エヴァも総監督の庵野秀明さんが『ロボットアニメ』と言ってますから、そのジャンルで考えれば、このヒットは異例といえます」と解説する。
そんなシン・エヴァで、最も注目されていて、ヒットの一因といわれているのは、豪華声優陣である。ファンにとってうれしい結末だったのは、26年前のアニメ放送時から主要キャストの声優たちが、ずっと変わらなかったことだ。
前出のアニメ雑誌編集者は「主人公碇シンジ役の緒方恵美さん(55才)、綾波レイ役の林原めぐみさん(54)、式波・アスカ・ラングレー役(アニメ版は惣流・アスカ・ラングレー)の宮村優子さん(48才)、葛城ミサト役の三石琴乃さん(53才)を筆頭に、エヴァの声優は1990年代、2000年代を代表する人気声優が多かったのです」と振り返る。
たしかに声優界の第一人者、山寺宏一(59才・加持リョウジ役)らまで揃う顔ぶれは、ほかでは見られない。逆にいえば、『エヴァンゲリオン』シリーズのヒットのおかげで、彼らも人気と名声を勝ち得ていったともいえる関係性だ。そんな日本アニメ界のエポックメイキングとなったエヴァの、四半世紀をへての大団円だからこそ、大きな成功につながっている。