芸能人は、いつから重要な発表を書面のコメントだけで済ますようになったのか。近藤真彦が1977年の入所以来、約44年間所属してきたジャニーズ事務所を退所した。4月30日、同事務所の公式ホームページでコメントを発表すると、世間には驚きの声が広がり、スポーツ紙やネットニュースだけでなく、テレビの情報番組でも取り上げられた。芸能関係者が語る。
「昔は芸能人が事務所を移籍したり、個人事務所を設立したりしても、テレビで大々的に取り上げられることはなかった。最近、ジャニーズから続々と退所者が出ていますが、ほとんどがグループからの脱退などが絡んでおり、メインはグループの話になる。マッチはソロですし、ここまで大ニュースになるとは思っていなかったかもしれません」
少年隊の東山紀之は5月2日、『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で「今回の退所の仕方に、大きな疑問が残っている。後輩たちにもファンの人たちにも、何の説明もなかったので。僕らはたくさんのファンの人たち、スタッフの人に支えられていますから。それと向き合うというのは礼儀の一つだと思う。退所のコメントでも、すごく薄っぺらく感じるんですね」などと厳しい言葉を並べた。これまで応援してくれたファンやスタッフに対して、感謝の気持ちが伝わってこないことへの憤りを感じさせた。芸能記者が話す。
「紙切れにすれば1枚ほどの文面で済ませたことにも、複雑な思いがあったのかもしれません。事務所の退所でわざわざ記者会見を開く必要もないとは思いますが、そもそも近藤さんは不倫発覚時にも会見をしておらず、逃げ回っている印象を持っているファンは少なくない。近藤さんの立場からすれば、少ない文章で自分の想いを伝えるのは困難。それならば、会見をして真摯に答えれば、世間の反応も少しは変わったかもしれません」
1980年代、テレビの各局ワイドショーは芸能ニュースを盛んに取り上げ、突撃取材を敢行していた。著名人は熱愛報道があればレポーターに追い回され、何かと記者会見を開いていた。
「当時は、テレビカメラとレポーターがセットとなり、午前と午後のワイドショーが揃って同じ芸能人に直撃していた。そこにスポーツ紙や週刊誌の記者もいたから、30人近くになることも珍しくない。そうなると、逃げも隠れもできなくなる。だから、仕方なく会見を開いる面もあったんです。そうしないと、いつまでも追いかけられますから」(前出・芸能関係者)